フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》

フォルクスワーゲンは2月20日、新型EVの『ID.Buzz』(Volkswagen ID.Buzz)を3月9日、ワールドプレミアすると発表した。車名はコンセプトカーの『ID.BUZZ』から、市販版ではID.Buzzに変更され、「ワーゲンバス」が復活する。

ID.Buzzは、フォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーに加わるミニバンだ。欧州市場では、乗用ミニバンのID.Buzzと、商用バンの『ID. Buzzカーゴ』の2種類が用意される。

◆最小回転半径はおよそ5.5mに抑える
エクステリアには、初代の『T1』、オリジナルの『Bulli』のデザインモチーフを取り入れている。短いオーバーハングやスペース効率の高さ、V字型のフロントマスクなどが受け継がれた。オリジナルのBulliと同じように、ID.Buzzにも後輪駆動モデルが用意される。

ID.Buzzは、フォルクスワーゲングループの新世代EV向け車台の「MEB」をベースにしている。モーターはリアアクスルに搭載され、最大出力201hp、最大トルク31.6kgmを引き出す。最高速はリミッターによって、145km/hに制限される。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は82kWh(正味容量は77kWh)とした。

バッテリーは、サンドイッチ構造のフロア下に配置されており、重心を低くした。このデザインのおかげで、ID.Buzz の最小回転半径は、およそ5.5mに抑えられる。

◆標準ボディとロングホイールベースの2種類
ID.BuzzとID. Buzzカーゴは欧州での発売当初、全長4712mm、ホイールベース2988mmの標準ボディが導入される。2988mmのホイールベースは、フォルクスワーゲンの主力商用車の『T6』比較として、2mm違うだけだ。一方、T6の全長4904mmに対して、 ID.BuzzとID. Buzzカーゴの全長は192mm短い。これにより、T6と同様の室内長を維持しながら、より小さな駐車スペースに停めることができるという。将来的には、インテリアスペースを拡大したロングホイールベース仕様車の追加を計画している。

また、ID.Buzzの全幅は1985mmで、T6よりも81mmワイドだ。全高はID.Buzzが1937mm、ID. Buzzカーゴが1938mm。T6の全高1970mmと比較して、およそ30mm低くした。アルミホイールは、18〜21インチサイズを用意している。

ID.Buzzは2列シートの 5名乗りで、荷室容量は最大1121リットルを確保した。ID. Buzzカーゴは後席がなく、乗車定員は3名となり、3.9立法m以上の荷室容量を備えている。

◆「プラグ&チャージ」と双方向充電を採用
ID.BuzzとID. Buzzカーゴには、「プラグ&チャージ」と双方向充電を採用する予定だ。プラグ&チャージを利用すれば、充電コネクタを通じて、DC急速充電ステーションで認証を行い、必要なデータをやり取りできる。また、双方向充電を利用すれば、自宅のソーラーパネルの余った電力を、ID.BuzzとID. Buzzカーゴに蓄えることが可能になる。

ID.BuzzとID. Buzzカーゴは、ソフトウェアのアップデートを無線でダウンロードできる。これらには、インフォテインメントシステムの更新と、充電や先進運転支援システム(ADAS)に関する更新が含まれる。先進運転支援システムには、自動駐車機能や危険警報の警告を行う「Car2X」、部分自動運転システムの「トラベル・アシスト」などが用意される予定だ。

すでに、一部モデルに採用されているトラベル・アシストは、ID.BuzzとID. Buzzカーゴでは最新バージョンとなり、相互接続されたテクノロジーによるクラウドソースデータの利用が特長になる。このシステムは、全速度域において、部分的に自動運転を可能にする、としている。

フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz のプロトタイプ《photo by VW》