トヨタ自動車高岡工場《写真提供 トヨタ自動車》

新年早々に、トヨタ自動車が米国の自動車販売台数で最大手だったゼネラルモーターズ(GM)を抜き、初めて首位に輝いたという明るいニュースが飛び込んできたが、世界の企業の価値を示す時価総額を比べれば、どうも「ぬか喜び」のようでもあった。

きょうの朝日によると、先週末(1月7日)時点の世界の時価総額ランキングで、トップは米アップルの2.8兆ドル、2位も米マイクロソフトの2.3兆ドル、3位はサウジアラビアのサウジアラムコの1.8兆ドル。さらに、ベスト10の顔ぶれをみると、グーグルの親会社のアルファベットが4位、アマゾンが5位、EV大手のテスラが6位、メタ(旧フェイスブック)が7位と、米国の巨大IT企業などがほぼ独占している。

では、日本のトップ企業のトヨタ自動車は0.32兆ドル(約37兆円)でようやく29位に顔を出しているほか、EVへの本格参入を検討している国内2位のソニーグループは92位。台湾のTSMC(10位)や中国のテンセント(11位)、韓国のサムスン電子(16位)など、アジア勢でもトヨタを上回る企業も少なくない。

記事では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏が、日本勢はバブル崩壊で設備投資に遅れをとり、成長力が弱まったと指摘。「多くの企業の経営者がリスクを避けて投資を控え、守勢に回った結果だ」(朝日)とも伝えている。手厳しいが的を射ているだけに、何とも言いようがない。

2022年1月11日付

●半導体「10年生産」条件、新工場補助金、政府方針、安定調達・雇用確保(読売・2面)

●完全無人輸送開発へ、自動ヘリ+配送ロボ、川崎重工(読売・9面)

●企業価値日米で明暗、米・巨大IT6社、トップ10、日・トヨタ29位が最高(朝日・1面)

●「ドライブ・マイ・カー」にGG賞,濱口監督作品、日本映画62年ぶり(毎日・1面)

●社説、再生’22 脱炭素と日本企業、現状維持のリスク直視を(毎日・5面)

●みずほ社長に木原氏、システム障害相次ぎ刷新(産経・1面)

●社説、太陽光電池車、究極のエコカー目指せ(東京・5面)

●社説、ソニーのEV参入が示す自動車の変貌(日経・2面)

●ホンダ、データ基に値引き、売れ筋・購買層、リアルタイム分析、競争力高め異業種に対抗(日経・9面)

ソニーVISION-S 02(CES 2022)《Photo by Andrej Sokolow/picture alliance via Getty Images/ゲッティイメージズ》 アップル製品《Photo by Stanislav Kogiku/SOPA Images/LightRocket via Getty Images/ゲッティイメージズ》