日産 ローグ の2022年モデル《photo by Nissan》

日産自動車の米国部門は、ロサンゼルスモーターショー2021において、『ローグ』(日本名:『エクストレイル』に相当)の2022年モデルを初公開した。

◆従来の2.5リットルから1.5リットルにダウンサイズ
ローグの2022年モデルのハイライトが、新エンジンの搭載だ。1.5リットル直列3気筒ガソリン「VCターボ」が、従来の2.5リットル直列4気筒ガソリン自然吸気エンジンを置き換えている。

日産が開発したVCターボエンジンは、量産エンジンとしては世界初の可変圧縮比エンジンだ。可変圧縮比技術は、ピストンの上死点位置をシームレスに変化させるマルチリンクシステムを活用しており、最適な圧縮比に素早く変化する特長を備えている。

圧縮比は8:1(高性能)から、14:1(高効率)の間で自在に変えることができる。運転状況に応じてエンジンの制御ロジックは、自動的に最適な圧縮比を選択する。またこの技術は、燃料消費量と排出ガスの大幅な削減、騒音や振動レベルの低減など、多くのメリットがあり、既存のエンジンに比べ軽量かつコンパクト設計としている。

◆パワーと燃費は従来の2.5リットルから1割向上
1.5リットルVCターボエンジンは、最大出力201hp、最大トルク31.1kgmを引き出す。従来の2.5リットル直列4気筒ガソリン自然吸気エンジンの最大出力181hp、最大トルク25kgmに対して、パワーは11%、トルクは24%増加した。パワーアップにもかかわらず、2022モデルの推定燃費は2.5リットル搭載車よりもおよそ10%向上。日産は、ガソリンエンジン搭載車でクラス最高の燃費とトルクを実現した、と自負する。

この1.5リットルVCターボエンジンに、新世代のCVT「エクストロニック」トランスミッションを組み合わせる。新しいエクストロニックは、従来よりもギア比が17%幅広くなり、摩擦を32%低減させた。これにより、加速と燃費を向上させているという。

新しいトランスミッション技術には、ツインオイルポンプシステムと新開発のコントロールバルブシステムが含まれる。ツインオイルポンプシステムは、オイルフローが少ないコンパクトな機械式ポンプに、オイルフローが大きい電動オイルポンプを組み合わせている。

◆「ニッサン・セーフティ・シールド360」
2022年モデルには、「ニッサン・セーフティ・シールド360」を標準装備する。ニッサン・セーフティ・シールド360テクノロジーには、歩行者検出機能を備えた自動緊急ブレーキ、ブラインドスポット警告、リアクロストラフィックアラート、車線逸脱警告、ハイビームアシスト、リアの自動ブレーキが含まれる。

ニッサン・セーフティ・シールド360に加えて、すべてのグレードに「インテリジェント・ドライバー・アラートネス・テクノロジー」と「リアドアアラート」を標準装備する。「ブラインドスポット・インターベンション」と交通標識認識も用意されている。

リアドアアラートは、車内にうっかり子どもを置き忘れないための安全装備だ。後部ドアのスイッチをモニターして、走行前後のドアの開閉状態を検知する。走行する前に後部ドアが開閉されたにもかかわらず、走行終了後に後部ドアが再び開かれなかったことが検知された場合、車両が駐車され、イグニッションがオフになった段階で、インパネ内のディスプレイに警告メッセージを表示する。

それでも、ドライバーが子どもを車内に残したことに気づかず、車両から離れた場合、自動的に複数パターンの音を発するクラクションを鳴らして、ドライバーに後部座席を確認するよう促す。

◆プロパイロットがナビシステムとリンク
従来型ローグは、高速道路のストップ&ゴーの煩わしさを軽減し、高速道路での長距離ドライブを容易にするドライバーアシストテクノロジー、プロパイロットアシストを搭載した最初の日産車のひとつだった。プロパイロットアシストは、ステアリングアシストとインテリジェントクルーズコントロールを組み合わせて、交通量の多い高速道路でも、加減速やステアリングの制御を支援する。

新型では最新のプロパイロットアシストを搭載。新世代のレーダーとカメラテクノロジーを導入して強化された。日産によると、スムーズなブレーキング、より優れたステアリングアシストフィール、他の車両が車線に侵入した時の検出性能の向上を実現しているという。

さらに、上級グレードに標準のナビリンク付きのプロパイロットアシストは、いくつかの新機能を備えている。プロパイロットアシストを、日産の「ドアtoドアナビゲーションシステム」にリンクさせることにより、ナビゲーション地図データが、高速道路のカーブやジャンクションで速度を低下させ、ドライバーが高速道路の出口で減速するのを支援することが可能にしている。

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