スバル・ソルテラ《写真撮影 関口敬文》

スバルは11月11日は、新型電気自動車『SOLTERRA(ソルテラ)』を世界初公開した。

◆太陽と地球を合わせたネーミング

ソルテラは、電気自動車ならではの新しい価値や、長年にわたって大切に培ってきた「安心と愉しさ」というスバルならではの価値を詰め込み、地球環境に配慮しながらも、これまでのスバルのSUVラインナップと同様に安心して使えるクルマに仕上がっているという。

11日のプレゼンテーションでは最初に中村知美代表取締役社長が登場し、車名について以下のように語った。

「このかけがえのない大地をもっと楽しむためのEV、それがこのソルテラだ。名前はラテン語で太陽を意味するソルと、地球・大地を表すテラを組み合わせた。私たちを育み私たちが暮らす、守るべきこの大切な大地と地球。その美しい大地に降り注ぎ続ける太陽の光。ソルテラという車名にはそんな思いを込めた」

◆ソルテラは4つの期待に応える

続いて、SUBARU商品企画部SOLTERRA開発責任者(PGM)の小野大輔氏がソルテラついて説明した。

「各社からEVの投入が相次いでいる。お客様の関心も車がEVかどうかよりも、そのEVがどのような価値をもたらすかに移ってきた。どうすればお客様に選んでいただけるクルマにできるのか? 議論の末にたどり着いたのは、お客様からの4つの期待に応えることだ」

「第1に、笑顔を未来につないでいきたい。そのために環境にやさしい車に乗りたいという社会環境や未来への期待。第2に不自由なくこれまでと同じようにクルマを楽しみたい。使える車に乗りたいという日常への期待。第3に日常から離れて新しい体験をしたい。そのための機能を持つクルマに乗りたいという非日常への期待。そして最後に、思いのままに操りたい、自分を表現したい、そんな車を所有したいという自分自身への期待」

「このようなお客様の期待に応えつつも、スバルの安心と愉しさといういままでの価値を保つことが重要だ。そしてさらに、期待を上回るようなEVならではの新しい価値を見つけられ、日常的に不安なく使うことができるといったクルマを目指して、ソルテラを開発してきた」

小野PGMはこのように開発コンセプトを解説した。

◆EVならではの新しい価値を搭載

ソルテラはEVならではの新しい価値を提供する、と小野PGMはいう。

「そのひとつは次世代の車らしい先進感だ。先進的な機能のなかでも代表的なものが、スバルとして初めて採用した全自動駐車支援機能。ステアリング、シフト、アクセル、ブレーキ操作をシステムで制御し、すべて自動で駐車を行う」

「そして従来のガソリン車にはない、モーターで走るEVだからこそ提供できる新しい価値もある。コンパクトなモーターユニットであるeアクセルを採用したソルテラは、オーバーハングが短いEVならではの特徴あるデザインを実現した。eアクセルが生み出す新次元の走りは、低速から最大トルクをレスポンスよく発揮。発進時の出足のよさや、踏み増した時の力強さ、アクセル操作に対するレスポンスのよさやシームレスな加速など、EVならではの走りが楽しめる」

◆スマートフォンでの操作が可能に

そしてもうひとつの新しい価値が、コネクティビティの強化だ。

「ソルテラでは12.3インチの大画面を持つマルチメディアシステムを採用。AppleCarPlayやAndroidAutoを使用する際のスマートフォン接続には、ワイヤレス方式を採用した。またスマートフォンの充電に使える非接触式充電器も装備している。スマートフォンを車のキーとして使える、デジタルキー機能も採用。ドアのロックやプッシュスタートによるクルマの起動が可能だ」

「また全自動駐車支援機能では、車外からスマートフォンで操作することも可能にしている。さらにスマートフォンアプリにより、窓開閉やドアの開施錠、予約空調の設定などをリモート操作可能にするなど、利便性にも配慮」

ソルテラは、EVへの期待に先進の技術でしっかり応えていくのだ。

◆AWDにこだわり続けてきたスバル

いっぽう小野PGMは「スバルのクルマとして選んでいただくために、スバルへの期待に応え、安心と楽しさを提供することも不可欠だ」ともいう。そのためにこだわったのは、「スバルらしい走りの楽しさ、どんな環境でも安心を生むAWDの制御、トップクラスの安全性、そして使い勝手の良さだ」とする。

「まずは『走りの楽しさ』という期待に応えるために、EV専用プラットフォームのeスバル・グローバル・プラットフォームを新開発した。バッテリー自体を骨格の一部に活用することで、従来以上の強度剛性を実現。操縦安定性の向上に貢献し、意のままに操れるスバルの走りを実現している」

「ステアリングのパドルで、回生ブレーキの強さをコントロールし、減速特性を強めたり巡航距離を伸ばしたりと、ドライバーの意のままに操れるようにしたのもスバルがこだわったところだ」

「スバルが安心と楽しさを提供するうえで、絶対に欠かせないのが『安全性』だ。EVでは重要部品である電池をキャビン下に配置するため、衝突時に求められる各部強度がガソリン車と異なるものになる。さらに求められる骨格強度が変わることで、視界や居住性にも影響を及ぼす。このようにEV特有のボディ設計の難しさがある」

「そして『使い勝手』。荷室はSUVにふさわしいスペースの確保にこだわりゴルフバッグは4個、大型のスーツケースなら3個を積載可能。後席を倒せばマウンテンバイクも車内に積めるなど、シーンに合わせて必要なものをしっかり積めるようにしている。シフトバイワイヤを採用することで生まれた空間を活用して、センターコンソールの収納スペースを充実させた」

細かいことだが「従来のスバル車ユーザーに、違和感なくお乗り替えいただけるよう、各種ブザー音やウインカーの作動音などは、他のスバル車と同じ音を採用した」。

代表取締役社長 中村知美氏が登場。発表会会場でも全編を通して映像での紹介となっていた。《写真撮影 関口敬文》 SUBARU東京事業所にトヨタの豊田章男氏も訪れてミーティングが行われた。《写真撮影 関口敬文》 アンベールされたソルテラ。《写真撮影 関口敬文》 SUVらしい走りのアピールもされていた。《写真撮影 関口敬文》 先進的なデザインが取り入れられている。《写真撮影 関口敬文》 SUBARU商品企画部 SOLTERRA 開発責任者 小野大輔氏が詳細について解説。《写真撮影 関口敬文》 SUBARU初の全自動駐車支援機能を搭載。《写真撮影 関口敬文》 eアクセルと名付けられたモーターユニットを搭載。《写真撮影 関口敬文》 スバル・グローバル・プラットフォームのEV仕様。《写真撮影 関口敬文》 AWDシステムはソルテラにもいかされている。《写真撮影 関口敬文》 AWDシステムのおかげで、登坂路や泥ねい地などでも安定した走りが実現。《写真撮影 関口敬文》 AWD制御とXモードにより、ダートや雪上路でも安心して走行可能。《写真撮影 関口敬文》 中村知美氏(左)と小野大輔氏(右)。《写真撮影 関口敬文》 フロントはヘキサゴングリルとCシェイプのヘッドライトが特徴。《写真撮影 関口敬文》 グリルから始まる水平軸の通った力強いボディーも特徴のひとつ。《写真撮影 関口敬文》 スバル・ソルテラ《写真撮影 関口敬文》 助手席ドア前方にある充電口。《写真撮影 関口敬文》 運転席ドア前方にある充電口。《写真撮影 関口敬文》 ルーフエンドスポイラーはセンター部分がない独特のデザイン。《写真撮影 関口敬文》 EVでありながらも荷室スペースはしっかりと確保されている。ゴルフバッグは4個、大型のスーツケースなら3個を積載可能。《写真撮影 関口敬文》 ハンドル周りは意外とスッキリしている。《写真撮影 関口敬文》 トップマウントメーターにはドア開閉などの情報も表示される。《写真撮影 関口敬文》 横長の12.3インチのマルチメディアシステムを搭載。《写真撮影 関口敬文》 ドリンクホルダーなど収納にもこだわってデザインされたとのこと。《写真撮影 関口敬文》 ハーマンカードンのスピーカーが搭載されていた。奥に見えるアクセルペダルはオルガン式。《写真撮影 関口敬文》 リアシートは3人掛け。チャイルドシート用のISOFIX取り付け金具は左右どちらにも用意されていた。《写真撮影 関口敬文》 後席のセンター部分にはエアコン吹き出し口や、USB-Cの充電ポート、シートヒータースイッチなどが用意されていた。《写真撮影 関口敬文》 リアゲートにはふたつのカメラが設置されていた。《写真撮影 関口敬文》 バックミラー下部にもふたつのカメラのようなものが確認できた。スタッフに確認したが詳細については教えていただけなかった。《写真撮影 関口敬文》