3年ぶりの増収増益となったスズキが発表したことで、自動車大手7社の2021年9月中間連結決算が出そろい、きょうの読売や朝日などが取り上げている。
それによると、新型コロナウイルスの感染拡大で前年同期に落ち込んだ販売が回復し、7社すべてが増収になったという。円安の追い風とともに世界的な自動車需要の拡大で新車が不足する中、販売時の値引きの削減効果も業績に寄与。トヨタ自動車、ホンダ、スズキ、SUBARU(スバル)の4社が増益を確保したほか、前の同じ期が赤字だった日産自動車、マツダ、三菱自動車の3社は黒字に転換した。
為替による増益効果は、21年4〜9月の平均為替レートが1ドル=110円、前年同期から約3円の円安・ドル高となり、7社の合計では約4300億円に上ったとみられる。
一方、東南アジアでのコロナ感染の再拡大の影響による部品調達難や半導体不足の長期化で減産が続き、通期の世界販売見通しを下方修正する傾向が際立つ。このうち、ホンダは5月時点で500万台を見込んだが、8月に下方修正したのに続き、中間期にも420万台にまで引き下げたほか、日産自動車も当初計画の440万台から380万台に下方修正。22年3月期の業績予想ではトヨタを除く6社が売上高を下方修正するなど、本格的な回復は来期以降となる見通しだ。
まどろっこしい分析記事はともかく、各紙のタイトルを見ると自動車業界を取り巻く状況は一目瞭然。読売は「9月中間期 車増益 円安で底上げ、半導体不足と原料高不安」。朝日は「自動車大手 黒字回復だけど、半導体不足で製造不調・・響く売り逃し」。産経は「自動車大手、日産など3社黒字転換、販売計画は引き下げ相次ぐ」。なお、きょうの日経は個別企業のスズキのみ取り上げているが、毎日と東京の紙面には見当たらない。
2021年11月12日付
●イベント人数上限撤廃へ、政府緩和案、緊急事態宣言下も (読売・1面)
●日本旅行1億円に減資、中小企業扱い、業績低迷税負担軽く (読売・10面)
●車増益、円安で底上げ、半導体不足と原料高不安 (読売・11面)
●TPP復帰米消極姿勢、通商代表「5年以上前の署名」車関税「第2段階」見直し示唆(朝日・1面)
●新興EVメーカー、米リビアンが上場、時価9.7兆円 (朝日・6面)
●スバル、一般車初のEV (朝日・6面)
●Go To再開1月中旬以降、経口薬実用化見極め (毎日・1面)
●石炭固執周回遅れ鮮明、COP26日本に逆風 (毎日・3面)
●ダイムラーがルノー株売却、資本協力解消へ(毎日・6面)
●いすゞ、EVトラック増産、国産初、先行中国勢に対抗(日経・1面)
●マスク氏テスラ株売却、5600億円に上積み(日経・13面)
●ENEOS純利益2.5倍、今期上方修正、原油高で2800億円(日経・19面)
●スズキ、純利益85%増、減産拡大も通期据え置き、4〜9月(日経・19面)
車大手7社の中間決算、日産、マツダ、三菱自動車3社が黒字転換
2021年11月12日(金) 08時15分
関連ニュース
- EVけん引役の米テスラ、4年ぶりの減収減益で“大騒ぎ”[新聞ウォッチ] (04月25日 08時15分)
- 東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ] (04月24日 08時10分)
- EV戦略の“怪”、世界的には「失速」、国内は充電設備1年間で「3割増」[新聞ウォッチ] (04月23日 08時55分)
- 高齢ドライバーと「危険運転」同一視は差別的で誤り、日本老年学会が提言[新聞ウォッチ] (04月22日 08時35分)
- 大型・中型車もAT限定免許、「物流の2024年問題」で警察庁が導入検討[新聞ウォッチ] (04月19日 08時41分)