マツダ CX-5 XD エクスクルーシブモード《写真撮影 中野英幸》

マツダが11月10日にオンラインで発表した2022年3月期の第2四半期(4〜9月期)連結決算は、北米などの販売回復により営業利益は397億円(前年同期は529億円の赤字)と2年ぶりに黒字を確保した。

通期予想は営業利益を据え置いたが、純利益は上方修正している。第2四半期のグローバル販売は、14%増の66万台だった。主力の米国は全体需要の回復や車両の優先供給を図ったこともあり40%増の19万台、同様に豪州も40%増の5万6000台と大きく伸ばした。日本は供給制限もあって19%減の6万台にとどまった。グローバル販売の水準は、コロナ禍以前である19年の4〜9月期との比較では10%の減少になった。

営業損益段階での増減益要因では、出荷台数や車種構成の改善など販売分野が1078億円の増益と、改善をリードした。為替は1ドル110円で3円の円安となり、通貨全体では247億円の増益要因になった。一方で、原材料費や半導体価格の高騰を含むコスト改善は、239億円の利益押し下げに作用した。売上高は34.1%増の1兆4959億円、純利益は239億円(前年同期は930億円の赤字)だった。

通期のグローバル販売は、下期での上期減産のリカバリーが見通せず、期初計画から9万8000台少ない131万1000台(前期比2%増)に下方修正した。業績予想は営業利益を従来の650億円(7.4倍)に据え置き、部品調達などを「事業リスク」として200億円の減益要因に織り込んでいる。

純利益は今夏に実施した中国合弁の再編に伴う一時的な特別利益もあり、従来比で60億円増額の410億円(前期は317億円の赤字)に上方修正した。売上高は2000億円下方修正の3兆2000億円(11%増)としている。 

会見で丸本明社長は、第2四半期の業績について「半導体を中心とした部品調達問題により想定を上回る大幅な減産となった。期初には出荷で今期7万台の影響とみていたが、現時点では17万台を見込んでいる。このような状況下でも構造改革の加速と日々の改善の積み重ねをグローバルに展開することにより、期初の利益見通しの達成を見通せるのは、収益基盤強化の大きな進展と評価している」と振り返った。

通期に関しては「下期どれだけ部品を調達できるか、見通しは依然として不透明なため、生産台数は(コロナ禍の影響が大きかった)昨年と同等レベルに置き、アグレッシブなリカバリーを利益見通しには入れていない。一部リスクを織り込みながら経営に取り組んでいく」と述べた。今後の生産動向については「今月以降に前年並みの生産水準に上がる計画だが、第2四半期までの減産を取り戻す見通しは、現時点では立っていない」と、指摘した。

マツダ CX-5 後継モデル、CX-50(仮)予想CG《APOLLO NEWS SERVICE》 マツダの丸本明社長(参考画像)《写真提供 マツダ》