大阪湾を試験航行する水素燃料電池試験艇《写真提供 ヤンマー》

ヤンマーパワーテクノロジー(YPT)は10月13日、燃料電池システムを搭載した実証試験艇を用いて、世界初となる船舶への70MPa高圧水素充填を実施。大阪・関西万博会場予定地と市内沿岸部の観光地を結ぶ航路での航行試験を行った。

今回の70MPa高圧水素充填は、豊田通商と共同で、特別に許可を得た高圧充填設備と新たに試作した長尺の水素充填ホース設備を使って実施。これまでの充填方式と比べて航続時間は3倍以上となり、より実運用に近い航行が可能であることを確認した。得られた結果は、今後の水素燃料電池システムの実用化と舶用水素インフラの検討に活用していく。

YPTでは、国土交通省によるカーボンニュートラルポートの構想等における船舶への水素燃料電池システムの展開を見据えて、トヨタ自動車製の燃料電池モジュールを活用した300kW級の舶用燃料電池システムの開発を進めている。今後は、様々な船種へ搭載できるように船級協会の型式承認を取得し、2023年の市場投入を目指す。

70MPa高圧水素充填試験の様子《写真提供 ヤンマー》 70MPa高圧水素充填試験の様子《写真提供 ヤンマー》 70MPa高圧水素充填試験の様子《写真提供 ヤンマー》 300kW級の舶用水素燃料電池システムのイメージ(CG)《写真提供 ヤンマー》