岸田文雄・前政調会長(向かって右)と河野太郎行政・規制改革相(9月18日、日本記者クラブ)《Photo by AP Photo / Eugene Hoshiko / Pool/Anadolu Agency via Getty Images/ゲッティイメージズ》

自民党総裁選(9月29日投開票)が佳境を迎えている。党員でもなく投票権のない一般人は蚊帳の外だが、今の政治情勢において自民党の総裁はイコール次の首相でもある。新型コロナウイルス対策やエネルギー政策など、次期首相に就任して直ちに取り組むべき日々の暮らしにかかわる課題も多く、高みの見物ばかりもしていられない。

きょうの各紙にも自民党総裁選の終盤情勢を探った記事が際立つが、このうち、読売は1面トップで「党所属国会議員の支持動向調査では、岸田文雄・前政調会長が3割強を固め、河野太郎行政・規制改革相と高市早苗・前総務相が追っている」と報じている。さらに「党員・党友票を合わせると、河野氏がトップに立つものの過半数には達しない見通しで、上位2人による決選投票にもつれ込むのは確実な情勢だ」とも伝えている。

朝日も「岸田氏・河野氏競る」とのタイトルで、党所属国会議員の支持動で岸田氏が110人超、河野氏が100人超の支持を集めて競り合っていると分析。また、産経は「旧竹下派、岸田氏支持へ」、「岸田氏2位なら河野氏不利?」の見出し。岸田、高石両陣営の「2位-3位連合」による逆転が可能か否かが焦点となっていると大胆な切り口で報じている。

連日のように野田聖子氏を含めた男女4人による政策論争も活発だが、毎日によると「4氏とも主要政策の方向性に大きな違いはなく、特色を打ち出すのに苦心した」ともいえるようだ。

では、自動車業界と縁の深い候補といえば、やはり、岸田氏だろう。岸田氏は公開討論会で休日の過ごし方を聞かれると「最近はできるだけ妻と過ごすようにしている」などと、愛妻家ぶりを告白したそうだ。

ファーストレディの可能性もある、その愛妻の裕子さんは、広島県の三次市出身で、地元後援会の関係者によると、広島女学院から東京女子大に進学した後、1986年マツダに入社。マツダでは、当時副社長だった和田淑弘・元社長らの役員秘書を務めていたが、88年秋に岸田氏と見合いで結婚したという。

裕子さんの入社時はロータリーエンジンの開発に情熱を燃やした山本健一氏が社長だったが、87年には通産省(現経産省)出身の古田徳昌氏が就任。岸田氏の父親で元衆議院議員の文武氏も中小企業庁長官などを歴任した通産官僚の出身で、入省年次では古田氏は4年後輩になる。古田氏は19年9月に亡くなったが、そのお別れの会がその年の11月、広島市のリーガロイヤルホテル広島で開かれた。宴会場の隣では岸田氏の後援会による「励ます会」が同時に行われていたのも何かの縁なのか?

2021年9月27日付

●自民総裁選、決選投票確実な情勢、河野氏過半数届かず、議員票は岸田氏トップ、本社調査(読売・1面)

●緊急事態全面解除へ調整、30日期限、重点措置経ずにひ朝日・1面)

●記者解説、EV転換世界の潮流、覇権狙う欧州、HV残す日本、雇用減も(朝日・7面)

●米で列車が脱線横転し3人死亡、50人負傷(毎日・29面)

●サイクルトレイン来月から本格実施、西武多摩川線、土日祝は終日利用可(東京・21面)

●客室で電車運転楽しんで、浅草東武ホテルが開業1周年記念、訓練用の実物移設、来月1日から予約開始(東京・21面)

●主要30業種の天気図、自動車・半導体不足、販売響く/経営者の目、倉石誠司・ホンダ副社長、半導体不足、在庫管理を徹底(日経・27面)

西武多摩川線サイクルトレイン(武蔵堺駅デモ)《写真撮影 大野雅人》 東武鉄道運転シミュレータールーム《写真提供 東武ホテルマネジメント、東武鉄道》