F1ロシアGP《Photo by Mark Thompson/Getty Images Sport/ゲッティイメージズ》

ソチオリンピックの会場跡地を利用したソチ・オートドロームで26日、F1第15戦ロシアGPの決勝レースが行われ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が前人未到の通算100勝目を飾った。

25日に行われた予選は雨が降り、最終Q3では徐々に路面が乾いていく難しいコンディションとなった。その結果、ポールポジションを獲得したのは前戦で2位フィニッシュしたランド・ノリス(マクラーレン)。2番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手にジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)と、トップ3にタイトルを争うメルセデスとレッドブル・ホンダが居ない、珍しいオーダーとなった。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)が4番手、バルテリ・ボッタス(メルセデス)が7番手、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が9番手。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はパワーユニット交換で最後尾スタートが決まっているため、予選でタイムアタックを行わなかった。

なおPCR検査陽性で欠場していたキミ・ライコネン(アルファロメオ)が今大会から復帰。予選は16番手だった。

決勝レースのスターティンググリッドは予選結果から大きな変動があり、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はフェルスタッペンと同じくパワーユニット交換でフェルスタッペンのひとつ前の19番手。予選7番手だったボッタスはパワーユニットの一部の部品を交換してグリッドダウンがあり16番手からスタートする。

53周で争われる決勝レースはドライコンディションでスタートを迎えた。スタートを決めたのはサインツで、一気にノリスを抜いてトップに浮上。ハミルトンは2つ順位を落とし6位に後退した。

後方からスタートしたグリッド降格組の中で、目覚しい躍進を見せたのはルクレールで7ポジションアップの12位。フェルスタッペンは3ポジションアップの17位で1周目を終えた。

サインツとノリスのトップ争いは、サインツが逃げるかと思われたが7周目辺りからその差は縮まり始め、11周目にはテールトゥーノーズに。そして14周目、ノリスはトップを奪い返すことに成功した。

一気に差を広げられたサインツはその周の終わりにピットイン。タイヤをミディアムからハードに交換した。これで一旦は11位に落ちたが、新しいタイヤで追い上げ図る作戦だ。これで上位はノリスがトップ、前戦優勝のダニエル・リカルド(マクラーレン)が2位、ハミルトンが3位というオーダーになった。フェルスタッペンはこの時点で8位まで浮上。タイトル争いの相手であるハミルトンとの差を徐々に縮めてきていた。

ペレスが35周目にタイヤ交換を行い、これで全車タイヤ交換完了。ノリスがトップ、ハミルトンが僅差の2位、そして約20秒空いてサインツ、リカルド、ペレス、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、フェルスタッペンと続いた。フェルスタッペンはアロンソを抜いて前を狙うかと思われたが、その差は徐々に広がっていく。対象的にハミルトンはノリスとの差を徐々に詰めトップを伺う構えを見せた。

47周目、コースの一部で雨が降り出し、ノリスが一瞬コースアウト。ハミルトンはその隙きを突くかと思われたが、雨に足をすくわれてスピードが伸びない。その後、少し濡れた路面ではノリスのほうが速く、少しづつハミルトンは遅れていった。

48周目、雨が強くなり下位は一気にピットインしてインターミディエット(雨用浅溝)タイヤに交換。上位でも5位サインツ、6位フェルスタッペン、8位リカルドがインターミディエットに履き替えた。その翌周、2位のハミルトンがピットインしたがノリスはステイアウト。2人の差は25秒まで広がった。ところが1周で14秒にまで縮まり、ノリスは逆転されないために、さらにスリックタイヤのまま周回したが、もうまともに走れない。コースにとどまれずコーナーをまっすぐ行くノリスを横目に、ハミルトンは悠々とトップに立った。ノリスはその周にたまらずピットイン。初優勝のために素晴らしい走りを見せたが、天候は彼に味方せず、その夢は儚く散り去った。

50周目に6位だったフェルスタッペンは、その時点で前を行くペレス、アロンソ、ルクレールよりも早くインターミディエットに交換したことにより3位に浮上。そしてノリスの脱落により2位まで上がってきた。

残り5周で雨が降り出すという波乱の展開の中、ハミルトンが優勝。今季5度目の優勝でランキングトップに返り咲くとともに、前人未到の自身100勝目を記録した。最後尾スタートから追い上げたフェルスタッペンが2位で、ランキングを逆転されたものの、2ポイントという僅差に留めることができた。3位は序盤トップを走ったサインツ、4位はリカルド。そして雨が降る前は14位と低迷していたボッタスが5位でフィニッシュした。

素晴らしい優勝争いを見せてくれたノリスは7位。雨に翻弄され表彰台争いから脱落したペレスは9位。アルファタウリ・ホンダはピエール・ガスリーが13位、角田裕毅が17位だった。

次戦、トルコGPは10月8日から10日の日程で開催される。

■ロシアGP 決勝レース結果
1. ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2. マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
3. カルロス・サインツ(フェラーリ)
4. ダニエル・リカルド(マクラーレン)
5. バルテリ・ボッタス(メルセデス)
6. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
7. ランド・ノリス(マクラーレン)
8. キミ・ライコネン(アルファロメオ)
9. セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
10. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
11. ランス・ストロール(アストンマーチン)
12. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)
13. ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
14. エステバン・オコン(アルピーヌ)
15. シャルル・ルクレール(フェラーリ)
16. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
17. 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
18. ニキータ・マゼピン(ハース)
19. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
以上完走

--. ミック・シューマッハ(ハース)

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