マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》

マクラーレンオートモーティブは、8月15日に米国で開催される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」に、新型プラグインハイブリッド(PHV)スーパーカーのマクラーレン『アルトゥーラ』(McLaren Artura)を出展する。8月6日、マクラーレンオートモーティブが発表した。

アルトゥーラは、マクラーレンのラインナップにおいて、『GT』と『720S』の間に位置する。2015年に『570S』の発売とともに始まった現行のスポーツシリーズは、レーシングカーのGT4にインスパイアされた限定モデルの『620R』の生産終了をもって、幕を閉じた。

◆カーボン構造により乾燥重量は1395kgに

アルトゥーラは、マクラーレンオートモーティブの新時代の幕開けを告げるモデルになるという。ここで生かされる電動化技術はまず 、2012年に登場したハイブリッドハイパーカーの 『P1』に採用された。2020年から生産されているハイパーGT の 『スピードテール』では、マクラーレン史上最速の403km/hの最高速を誇る。これらのモデルに続くアルトゥーラは、「ハイ・パフォーマンス・ハイブリッド(HPH)」シリーズ初となるスーパーカーだ。

アルトゥーラは、「マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)」と名付けられた新開発のカーボンファイバー構造をベースとする最初のマクラーレン車になる。高性能ハイブリッドパワートレインと最新世代のドライバーテクノロジー向けに最適化されたこのアーキテクチャーは、マクラーレンの軽量シャシーテクノロジーを新たなレベルへと引き上げるという。アルトゥーラの乾燥重量は1395kgとした。

ハイ・パフォーマンス・ハイブリッド・システムの採用により追加された重量は、シャシー、ボディ、パワートレインに軽量化技術を適用したことにより、ほぼ相殺されるという。加えて、マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)を採用したことで、クラス最軽量のアドバンテージを可能にする、としている。

◆3.0リットルV6ツインターボにモーターの組み合わせ

新開発の3.0リットルV型6気筒ガソリンエンジンを基本にした高性能PHVパワートレインを搭載する。高いレベルのパフォーマンスとドライバーエクスペリエンス、ミドルレンジのEVに匹敵するドライブ機能を併せ持ち、EVモードでは、多くの都市において、日常走行をカバーする航続を備えているという。

コンパクトなV型6気筒ガソリンエンジンは、2個のターボとモーターとの組み合わせにより、軽量なハイ・パフォーマンス・ハイブリッド(HPH)パワートレインを構成する。このパワートレインは、より大排気量のマクラーレンV8 エンジンに匹敵するパフォーマンスを維持しながら、低回転域でのトルクレスポンスの向上により、躍動感あふれる加速を実現するという。ドライサンプ式のアルミ製エンジンは、軽量かつコンパクトで、単体重量は160kg。マクラーレンV8よりも50kg軽く、大幅に短くなり、パッケージングの効率性が高まっているという。

3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力585ps、最大トルク59.6kgmを発生する。モーターは最大出力95ps、最大トルク22.9kgmを引き出す。コンパクトなアキシャルフラックスEモーターは、トランスミッションのベルハウジング内に搭載されており、一般的なラジアルフラックスモーターより小型で電力密度が高いという。

アルトゥーラは、システム全体で680psの最大出力、73.4kgmの最大トルクを獲得する。トランスミッションは8速の「シームレスシフト」。アルトゥーラは、0〜100km/h加速3.0秒、0〜200km/h加速8.3秒、0〜300km/h加速21.5秒、0〜400m加速10.7秒、最高速330km/h(リミッター作動)の性能を可能にしている。

◆EVモードの航続は最大30km

リチウムイオンバッテリーは蓄電容量が7.4kWh。プラグインハイブリッド機能を備えており、標準的なケーブルを使って、2時間半でバッテリー容量の80%を充電できる。

パワートレインの設定は4モードから選択でき、そのうちEモードでは電気のみを使うゼロエミッション走行が、最大30km可能だ。Comfortモードでは、効率性を最大化するため、ストップ&スタートモードの使用を拡張し、40km/h以下ではエンジンを停止。より大きな速度とパワーが求められる際、段階的に利用する。SportとTrackモードでは、低速域のレスポンスと加速のために、電力をよりアグレッシブに使う。ハンドリングモードでは、ドライバーの好みや天候、路面状況に合わせて、ダンパーの硬さとESCの介入の程度を調節することができる。

Eモードの航続を最大30kmとした効果もあって、燃費は17.7km/リットル、CO2排出量は129g/km(WLTP計測)。マクラーレン史上最高の燃費性能、としている。

マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》 マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》 マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》 マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》 マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》 マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》 マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren》 マクラーレン・アルトゥーラ《photo by McLaren Automotive》