VW Tクロス TSI R-Line《写真撮影 島崎七生人》

「TSI R-Line」は5月に新設定された『Tクロス』の最上級グレード。外観では他グレードに対し前後バンパー、ボディサイドの重ね合わせたパネルなどが専用で、3サイズは全高は変わらず、全長が+10mmの4125mm、全幅が+25mmの1785mmになっている。

ボディ色の「マケナターコイズメタリック」は全グレードで選べるオプション設定色。広報車という役割上、印象深い色が選ばれたのだろうが、よく見るとドアパネル下部に重ねてあるクラッディングパネル部がボディ色(他グレードは黒い樹脂色)となり、色の面積が増えるところがポイント。R-Lineのみに設定されるリフレックスシルバーメタリック始め、ライムストーンメタリックなど渋めのボディ色であれば、オレンジ色のホイールなどが選べるポップな「デザインパッケージ」とは好対照の落ち着いた雰囲気が楽しめそうだ。


R-Lineでは他のグレードのように前後バンパーにスキッドプレート(アンダーガード)を思わすデザインもない。そこでいっそルーフレールも外せば普通のコンパクトカー(つまりほとんど『ポロ』?)としてもサラッと乗りこなせそうだ。

同様にインテリアもインパネの加飾パネル部を始め、フリントグレー/チタンブラックの専用シート表皮など、これまた落ち着いたムード。落ち着いた……としつこく記しているのは、運転のしやすいコンパクトなクルマを日常的に使いたいと考える幅広い年齢のユーザー(=年配の方を含む)の気の利いた愛車としてもいいのでは?と考えたからでもある。


実車は先に試乗した「TSI Styleデザインパッケージ」と同様、あくまで爽快な走りっぷりを示す。今回の試乗では高速道を流す機会もあり、その途中の段階での平均燃費の数字(18.3km/リットル)はメーターの写真の中にも写してあるが、満タンから燃料計の最初の目盛りが消えるまでの走行距離が長いなど、感覚的にも好燃費の印象だ。

3気筒の999ccエンジン(116ps/20.4kgm)は、場面により1500rpm付近で一瞬ムズかるような素振りを見せ、それに伴って小さな共振を発生させるが、そのポイントを素早く通り越すようなアクセルワークを意識すれば、あまり気にならなくなるし、通常の走行時に、3気筒だからといって振動、騒音面でネガな印象はまったくない。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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