GMC ハマー EV《photo by GMC》

GMのGMCブランドは7月1日、今秋から生産を開始する予定の『ハマーEV』(GMC Hummer EV)に、ローンチコントロールモードの「Watts to Freedom」を採用すると発表した。7月4日の米国の独立記念日に合わせて、新たな映像も公開している。

およそ10年ぶりの復活となるハマーは、GMCブランドのEVピックアップトラックとして登場した。パワフルなEVパワートレインを搭載する高性能ピックアップトラックになる。

◆最強の「エディション1」は3モーターで最大出力1000hp

米国仕様のハマーEVには、4タイプが用意される。このうち2021年秋、最初に発売されるのが、エディション1だ。エディション1に続いて、2022年秋に発売予定なのが「3X」、2023年春に発売予定なのが「2X」、2024年春に発売予定なのが「2」となる。

4タイプのハマーEVの中で、最も強力なのが、エディション1だ。エディション1には、3モーター+4WDの「e4WD」システムを搭載する。このシステムは、トルクベクタリング機能を備えており、最大出力1000hp、最大トルク1590kgmを獲得する。0〜96km/h加速は、およそ3秒の性能を可能にしている。

0〜96km/h加速およそ3秒の性能に貢献しているのが、Watts to Freedomと呼ばれるハマー独自のローンチコントロールモードだ。Watts to Freedomモードを選択することにより、EVパワートレインシステムの1000hpのパワーをフル活用し、加速するという。

Watts to Freedomの準備段階では、インタラクティブコントロール、BOSE製スピーカーからのユニークなサウンド、アニメーション画面などにより「カウントダウン」の感覚をドライバーに伝える。走行安定性を高めるために、車高もおよそ50mm下がる。

ハマーEVのAl Oppenheiserチーフエンジニアは、「Watts to Freedomは、パワートレインの可能性を最大限に引き出し、利用可能なすべての電力を路面に伝達する。これは、他車とは異なる体験であり、直線加速を楽しむために設計されている」と語る。

◆1回の充電での航続は最大563kmに

ハマーEVは、GMの新世代EVパワートレインの「アルティウム・ドライブ」をベースにしている。中でも、「アルティウム・バッテリー」は、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができる方式を採用した。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができるという。アルティウム・バッテリーの蓄電容量は、50〜200kWhと幅広い。

ハマーEVの場合、航続が最も長いのは、エディション1となる。エディション1の予想航続は、最大563km。3Xと2Xは予想航続が最大483km、2は予想航続が最大402kmとなる。

エディション1のバッテリーの充電は、800ボルトのDC急速充電に対応する。出力350kWのDC急速充電ステーションを利用すれば、160km走行分のバッテリー容量を、およそ10分で充電することができる。

◆「エクストリーム・オフロード・パッケージ」が標準

エディション1は、オフロード向けの「エクストリーム・オフロード・パッケージ」が標準装備されている。18インチホイール、35インチのグッドイヤー「ラングラー・テリトリーMT」タイヤ、アンダーボディアーマー、ロックスライダー、アンダーボディカメラがセットされている。

ハマーEVは、米国ミシガン州デトロイトのEV専用工場「ファクトリーゼロ」において、2021年秋から生産される予定だ。ファクトリーゼロは、GMのマルチブランドEV戦略の出発点になる工場、と自負する。GMはファクトリーゼロへの改修に22億ドルを投資し、EVだけを量産する工場に改修する。22億ドルの投資は、GMの歴史において、単一工場への最大の投資額になる、としている。

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