ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》

ヤマハ発動機は、大型ロードスポーツ『MT-09 ABS』をフルモデルチェンジ。上級仕様の『MT-09 SP ABS』を7月28日に、標準仕様の『MT-09 ABS』を8月26日に発売する。

MT-09 ABSは、従来からの「Torque & Agile」のキャラクターを継承・進化させ、ライダーに「Feeling」をもたらす「The Rodeo Master」をコンセプトに開発。エンジン・車体を刷新することで大幅に進化させながら、随所に軽量化技術を織り込み、車両重量は189kg(SPは190kg)。従来モデル比で約4kg軽量に仕上げている。

カラーはMT-09 SP ABSがブラックのみ。MT-09 ABSはグレー、ブルー、マットダークグレーの3色を設定。価格はMT-09 SP ABSが126万5000円、MT-09 ABSが110万円。

◆トルクフルな新開発888ccエンジンを搭載

パワーユニットはクロスプレーンコンセプトに基づき開発した排気量アップの888cc 水冷4ストロークDOHC 3気筒エンジンを搭載。ボア・ストローク78.0mm×62.0mm、11.5:1の圧縮比から、最高出力120ps/最大トルク93Nmを発生する。またピストン、コンロッド、クランクシャフト、カムシャフト、クランクケースなど主要パーツの多くを新設計し、軽量に仕上げている。

燃料供給系も一新し、インジェクターは従来のシリンダーヘッド直付からスロットルバルブ側に取り付け位置を変更。噴射はバルブ傘裏方向とし、優れた燃焼効率を引き出した。こうした燃焼改善と軽量化により、燃費の改善も実現している。

◆最低肉厚1.7mmの軽量CFアルミダイキャスト製の新フレーム採用

最新のCFアルミダイキャスト技術により、最低肉厚1.7mm(従来は最低肉厚3.5mm)を実現した軽量アルミ製フレームを採用。エンジン搭載角を47.5度から52.3度へと立て気味にしてコンパクト化し、ディメンションを最適化した。

また直進安定性と操縦性を両立させるために、縦・横・ねじり剛性のバランスを調整。特に横剛性は従来比約50%アップとなり、直進安定性に貢献している。さらにヘッドパイプの位置を従来比30mm下げることでフロント荷重をかけやすくし、旋回時のフロント接地感を高めた。

アルミパネルを溶接したボックス構造のリアアームは、高剛性と軽量化を両立。ピボット締結をリアアームの外側からフレームで支える構造に変更し、剛性チューニングやシート周辺形状の作り込みとの相乗効果で、スリム感を維持しながら優れた直進安定性、コーナリング安定性をもたらしている。リアフレームもCFアルミダイキャスト製とし、フレーム、リアアームとの合算で従来比約2.3kg軽量化、俊敏な走りを実現している。

◆独自技術による高強度・軽量アルミホイールを初採用

足回りでは、ヤマハ独自のSPINFORGED WHEEL技術による軽量ホイールを初採用する。同社独自のアルミ材の開発と工法の確立により、鋳造ホイールでありながら鍛造ホイールに匹敵する強度と靭性のバランスを達成。従来モデルより前後で約700g軽くなり、さらにリアの慣性モーメントが11%低減、俊敏な運動性能に貢献している。

◆トルク感と加速感を表現した独自のサウンドデザイン

エキゾーストシステムには、1.5段膨張室サイレンサーと左右シンメトリーのテールパイプを採用。発進時はリアの駆動力と同期した排気音によってトルクを感じ、スロットルを開けた瞬間に音が増大して聴こえるような、スイッチ感のあるサウンドを響きわたせる。そして回転上昇に従って、ライダーへの主音源が排気音から吸気音へ切り替わるようチューニングした。

吸気音は、断面積と長さの異なる3つの吸気ダクトを採用し、各ダクトによる吸気音を各周波数帯で共鳴。さらに音圧をチューニングすることで中・高回転域でサウンドを強調し、気持ちの良い加速感を演出している。

◆新開発のIMUを採用、各種制御でライディングを支援

新開発の「IMU」(Inertial Measurement Unit)は、2015年モデル以降の『YZF-R1』で実績のある基本性能を維持しつつ、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を実現した。

IMUの情報は、エンジン出力を制御するECU」(エンジンコントロールユニット)および、ブレーキ油圧を制御する「HU」(ハイドローリックユニット)に展開。個々の制御は相互に連動して運転操作を支援し、マシンのポテンシャルを効率良く引き出す。各システムとも、介入レベル調整、およびON・OFF設定が可能。Torque & Agileなモデル特性に合わせた自然な制御が特徴だ。

◆ゼロカバー造形による魅せるスタイリング

新型MT-09 ABSは、2014年の初代、2017年の2代目を受け継ぐ3代目として、大きく進化したそのポテンシャルを表現する新スタイリングを採用した。エアインテークとフロントウィングのスタイリングに空気の流れや音の波などのサウンドを想起させるテーマを採用。またヘッドランプやサイレンサーなど各パーツをエンジンを中心に凝縮させて力強いトルク感を表現している。さらにスムーズなトップラインに、ショートオーバーハングのシルエットを組み合わせ、初代から引き継いできた“ライダーの意のままに操れるイメージ”に加え、カバー類を極力減らしたゼロカバー造形による構造体を魅せるスタイリングで、軽量化したボディによる軽快なハンドリングを表現している。

また、コンパクトさとデザイン性を両立し、優れた照射性をもつバイファンクションLEDヘッドランプ(Hi-Lo一体)を採用。照射範囲と範囲外の境目のコントラストが穏やかで柔らかくムラのない配光となっている。ポジションランプも導光体を備えたLEDタイプとし、新しいMTフェイスを印象づける意匠となっている。

ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 888cc CP3エンジン《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 バイファンクションLEDヘッドランプ《写真提供 ヤマハ発動機》 新開発のIMU《写真提供 ヤマハ発動機》 断面積と長さの異なる3つの吸気ダクト《写真提供 ヤマハ発動機》 1.5段膨張室、左右出しテールパイプのサイレンサー《写真提供 ヤマハ発動機》 独自のSPINFORGED WHEEL技術による軽量アルミホイール《写真提供 ヤマハ発動機》 軽量CFアルミダイキャスト製新フレーム《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》 ヤマハ MT-09 SP ABS《写真提供 ヤマハ発動機》