24時間のトリプル受信を可能にしたゴリラの最上位モデルCN-G1500VD《写真撮影 会田肇》

パナソニックは6月10日、ポータブル型ナビパナソニックの最新モデルとして、VICS-WIDEと最大3年間の無料地図更新に対応した「CN-G1500VD」と、基本機能に特化した「CN-G750D」の2機種を発表した(価格はオープン)。いずれも7型モデルで、発売は7月上旬の予定。

◆準天頂衛星「みちびき」の受信を大幅に拡大。測位精度アップに大きく貢献

ポータブル型ナビでもっとも気になるのが測位精度への対応だ。車載ナビはGPSやジャイロセンサーだけでなく車速パルスを併用することで安定した測位を獲得しているが、ポータブル型ナビでは一般的に車速パルスを併用しないため、その測位には不安が残るからだ。

そこでゴリラは早い段階からGPSだけでなく、準天頂衛星「みちびき」やロシアの衛星「グロナス」の併用により衛星による測位精度向上を図ってきた。そして、今回の新型ではその機能がさらに高められた。新たに「みちびき」の受信を静止衛星の3号機を除く1/2/4号機の同時受信を可能にしたのだ。

これによって、1日8時間に限定されていた「みちびき」の受信時間は24時間にまで拡大。「GPS」と「みちびき」、「グロナス」のトリプル受信体制が常に維持されるようになったのだ。

また、ゴリラは本体内に独自の「Gジャイロ」を搭載しており、これが衛星信号が届きにくい高架下でも安定した測位を可能にする。特に都市部の複雑な道路状況でもその実力はいかんなく発揮され、たとえば高速道路と一般道が重なる場所でも高精度に自車位置を測位できるのだ。

ルート案内での高い信頼性もゴリラならではの大きなポイントだ。目的地までのルートは条件別に複数候補を提案するが、最上位モデルCN-G1500VDではルート案内中もVICS-WIDEの情報を元に渋滞回避をする「スイテルート」が機能する。これによって距離や所要時間を比較した新旧ルートを表示し、リアルタイムの交通状況を踏まえつつ、もっとも効率の良いルートを案内するのだ。

特に現在は首都圏エリア1都6県においてVICS-WIDEは、実際に車両が走行して収集したプローブ情報を活用している。あくまで東京オリンピック・パラリンピック開催期間までの限定サービスとのことだが、そうしたサービスにもゴリラはしっかりと対応している。ポータブル型ナビであっても、この辺りはなかなか頼もしい。

◆全国すべてのエリアで市街地図表示。逆走警告など安全・安心サポートも万全

ゴリラは充実した地図データも大きな魅力だ。20年モデルから家の形が一軒ごとにわかる市街地図を全国すべてのエリア1741都市に拡大しており、街並みの様子だけでなく、川や湖、公園といったエリアも正確に表示している。それは都市部だけでなく周囲に民家が少ない山間部なども対象とし、これは初めての土地へ出掛けた時に現在地が把握しやすくなることにもつながる。

地図データの充実はそれだけにとどまらない。高速道路のレーン数やカラーレーンに対応した案内図を適宜表示して進行方向を誘導し、方面案内標識に表示されるピクトグラム表示も全国にまで拡大している。つい見落としがちな案内を一瞬にして把握できるようにしているのだ。もちろん、収録した地図データは最新の2021年4月版(20年12月締め)。開通したばかりの新路線もくまなく収録しているのは言うまでもない。

そして、ゴリラ定番の機能となっている「安全・安心運転サポート」も継続して搭載されている。初めて行った場所では周辺が気になって、つい交通規制をつい見落としがちとなるが、ゴリラはそれを画面上に表示して音声でも案内する。その種類は多彩で、制限速度や一時停止案内の他、事故多発地点や急カーブにまで及ぶ。さらに、高速道路のSA/PAでは逆走を走り出しと同時に注意喚起。逆走を検知すれば警告としてアイコンと音声で知らせる。

内蔵SSDは各機種とも16GBと共通で、ここにはJTB監修の『るるぶ観光ガイドブック』も標準で内蔵される。それをチェックしながらドライブのプランを練るのもいいだろう。なお、今回の新製品は7型モデルのみの発表となったが、5型モデルは従来の「CN-G540D」を20年版地図データのまま継続販売される。用途に応じて最適な一台を選ぶといいだろう。

CN-G1500VD《写真提供 パナソニック》 CN-G1500VD《写真提供 パナソニック》 CN-G750D《写真提供 パナソニック》 CN-G540D(2020年モデルから継続)《写真提供 パナソニック》