e-Grille《写真提供 市光工業》

市光工業は、5月26日に開幕した「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」に出展、自動運転と電動化に関するライティングソリューションを発表している。

◆e-グリル EV時代の新たなライティング商品

自動車の電動化により、「エンジン冷却のための吸気」というラジエターグリル本来の役割は小さくなっているが、ブランドやモデルとしてのアイデティティを表現するアイコニックな役割を担っている。また世界的なスタイリングトレンドとして、ヘッドランプは薄く、信号灯は大型化してきており、グリルとライティングの意匠面での垣根が無くなりつつある。

e-グリルは、そういったスタイリングトレンドと電動化という技術トレンドに合致した、EVの普及が進む新しい時代に向けた、グリルとライティングが融合した新商品。プロトタイプは、大日本印刷との協業による、機能的なフィルム素材を用いることで、非点灯時のグラフィックの美しさと、点灯時のライティング品質の両立を実現している。

◆HDライティング 路面描画で運転支援

進化する車両システムを見据えた次世代のライティングユニット。ロービーム領域には、路面に線や記号を照射することで、ドライバーにレーンガイドやナビゲーションといった情報を表示して運転を支援。横断する歩行者の足元を強調して照らすことで、歩行者の発見を早め、安全性を高める。ハイビーム領域には、対向車や先行車の範囲を必要最低限のみ遮光することで、対向車や先行車への幻惑を防ぎながら、従来のハイビーム時と同等の光量を保ち運転できる。

また、標識にあたる光を抑えることで反射による眩しさを軽減し、標識を見やすくしたり、歩行者の上半身のみを遮光することで歩行者への眩しさに配慮。従来品と比較して夜間の視認性の向上を可能にする。

◆ニアフィールドプロジェクション 歩行者などに情報伝達

ドライバーのためではなく、歩行者や自転車、バイクといった車両周辺の道路利用者に向けた情報伝達を目的とした安全ソリューション。トラックやバスといった大型で死角の多い車両では、ドライバーが安全運転することはもちろんのこと、車両周辺の道路利用者に対して車両の動きや危険をわかりやすく伝えることが重要。相互に気をつけることで巻き込み防止や接触などの事故の低減を目指す。

◆3Dサラウンドマルチビュー 3D映像で全方位の視界を表示

通常のバックカメラとサイドミラーを併用し確認しても車両後方などに死角は発生する。こうした今まで見るのが困難だった部分を含めて1つのモニターで車両サイドと後方を確認できるようにしたのがこの3Dサラウンドマルチビューだ。

4つのHDカメラによる映像をリアルタイムで合成し、車両を真上から見る俯瞰ビューを常時表示するとともに、3Dビューで周囲の状況を把握できる。カメラとカメラのつなぎ目部分は対象物がなるべく違和感のないような合成技術を使用。高画質の3D映像で全方位の安全な視界を表示し、安全運転を支援する。

市光工業バーチャルブース《写真提供 市光工業》 e-Grille《写真提供 市光工業》 e-Grille《写真提供 市光工業》 HDライティング《写真提供 市光工業》 HDライティング《写真提供 市光工業》 HDライティング《写真提供 市光工業》 ニアフィールドプロジェクション《写真提供 市光工業》 ニアフィールドプロジェクション《写真提供 市光工業》 3Dサラウンドマルチビュー《写真提供 市光工業》