スバル・ソルテラ《写真提供 SUBARU》

SUBARU(スバル)の中村知美社長は5月11日の決算発表の席上、2025年度までの中期経営ビジョン「STEP」についてのレビューを行い、「自力を付けることや足元固めはまだ不十分であり、そこに取り組む」と表明した。

STEPは18年7月に公表し、品質改革や、米国での販売シェア5%の確保、組織風土改革といった多面的なビジョンの実現に向けた取り組みを進めている。ただ、コロナ禍の長期化といった環境変化も起きているので、報道関係者向けに中村社長自ら進捗状況などのレビューを行った。

不正問題を引き起こし、大きな課題であった品質への取り組みについては、「当初掲げた品質改革投資枠の1500億円は日米両工場での設備投資など、具体的案件への振り分けが完了し、着実に実行中だ」と説明した。ただ、「品質はスバルブランドを固める源泉」とし、引き続き改善活動を強化する考えを示した。

一方、カーボンニュートラルの実現に向けた電動化方針に基づき、トヨタ自動車と共同開発を進めているEV(電気自動車)の新モデルについて、名称を『ソルテラ』(SOLTERRA)と決めたと明らかにした。専用プラットフォーム(車台)によるSUVタイプで、中村社長は「22年央に日本、米国、欧州、中国などで販売を始める」と述べた。

また、今後の収益イメージについては、事業の中核である米国販売のシェア5%確保をテコに、売上高営業利益率8%の確保を目指す方針を示した。米国の販売シェアは、20年までに9年連続で前年超えとなっており、同年は「過去最高の4.2%に達した」と指摘した。

スバル・ソルテラ《写真提供 SUBARU》 スバル・アウトバック(北米仕様)《photo by SUBARU》 スバル・アウトバック(北米仕様)《photo by SUBARU》