スマイルファクトリーが開発した軽キャンパー向け「横開きポップアップルーフ仕様」スズキ・キャリイ《写真撮影 会田肇》

今、人気うなぎ登りの軽キャンパー。そんな中、軽キャンパーでもっと広く快適に過ごしたい! そんな願いを込めてスマイルファクトリー(島根県益田市)が新開発したのが軽キャンパー『オフタイムトラベラー2』の「横開きポップアップルーフ仕様」である。

軽キャンパーが人気である理由、それは子育てを終えたシニア世代が老後に向けて夫婦2人で全国を回るといった使い方や、テレワークが日常化して個室を持ちたいと考える人が増えたことなどが背景にあるからだ。特に軽キャンパーは車両サイズもコンパクトで置き場所に困らない上に、車体価格が安く、税金などの維持費も安いことも人気を集める理由だという。

一方で悩みとなるのが軽自動車である故の、広い空間はあまり期待できないことだ。そこでコストはかかるけれども、構造変更を申請してポップアップルーフを装着するスタイルに人気が集まっているという。しかし、これまでポップアップルーフは進行方向側にヒンジを設けて後方を持ち上げるタイプがほとんど。その場合、高さはあまり期待できず、結果として就寝時に使うだけのものとなってしまっていた。

そんな軽キャンパーの空間を少しでも広く使える工夫として、スマイルファクトリーが提案したのが国内初「横開きポップアップルーフ」である。ポップアップルーフを横開きにし、テントのフレームを内側からロックさせることで、テーブルを使用できる大人2人のリビング空間(長さ1800mm×幅1070mm×高さ1000mm)を展開可能としたのだ。

展開時は大人2人が座って対話できる広さを確保しており、とても軽キャンパーとは思えないゆったりとした広さになるという。この広さによってもたらされるのは、上下で気兼ねなく別行動パターンが可能となることだ。このスタイルはまさに流行のワーケーションにも最適。さらに、ルーフ全体が高くなることで、下ベッドから天井までの高さは2mにもなり、立って着替えをすることも可能。軽キャンパーの悩みだった高さの問題も見事に解決できたというわけだ。

オフタイムトラベラー2のベース車両はスズキ『キャリイ』(マツダ『スクラム』)4WDで、定員は4名だが就寝定員は2名となる。サブバッテリーにはリチウムイオンバッテリー(50W)を使い、正弦波1000Wインバーターを介してコンセントからは100VやUSB電源を取り出せる。下空間の照明はメインを5W(暖色)LEDを左右2カ所に配置し、間接照明を装備。下セミダブルベッドは6分割で、リアゲート側4分割ベッド下は収納庫となっている。

なお、このポップアップルーフはオプション装備となり、価格は107万8000円(税込)。スマイルファクトリーによれば基本は完成車での販売となるという。完成車価格は413万0027円(税込)だ。

下ベッドからポップアップルーフまでの高さは2mにもなり、立ったままの着替えも可能だ《写真撮影 会田肇》 下ベッドは6分割でき、手前の4分割ベッド下は収納異なっている《写真撮影 会田肇》 車内側面にはサブバッテリーのスイッチなどが配置される《写真撮影 会田肇》 右側面には12V  電源やAC100Vの電源が取れるコンセントを用意《写真撮影 会田肇》 横開きポップアップルーフについてのカタログ《写真撮影 会田肇》 横開きポップアップルーフ仕様の価格表《写真撮影 会田肇》 スマイルファクトリー(ジャパンキャンピングカーショー2021)《写真撮影 会田肇》