豊田通商は、トヨタ自動車およびBメディカルシステムズと協業するワクチン保冷輸送車について、世界保健機関(WHO)が定める医療機材品質認証(PQS)を取得したと発表した。認証登録会社は豊田通商で、ワクチン保冷輸送車でのPQS取得は世界初となる。
ワクチン接種は感染症予防に対して有効な手段の一つだが、適切な温度管理が必要となる。途上国ではユニセフなどの国際機関からワクチンの供給支援を受けられるものの、自国内の病院や診療所まで配送する際に、道路インフラが未整備であることに加え、適切な保冷輸送手段がないために、輸送中の温度変化が原因でワクチン供給量の約2割(400億円相当)が毎年廃棄されている。そのことも原因の一つとなり、ワクチンで予防可能な感染症により、毎年150万人の子どもの命が奪われている。
PQSはWHO認可による医療機材の認証制度。PQSを取得した医療機材は、国連関係機関をはじめ、大手NGOや慈善団体の機材選定基準にもなる。これらの団体が自国で医療機材の認証制度がない途上国に対しても、PQSを認証基準とすることで輸送機材提供の支援がしやすくなり、ワクチンの有効利用の改善が期待される。
今回PQSを取得したワクチン保冷輸送車は、トヨタ『ランドクルーザー78』をベースとし、ワクチン専用冷蔵庫「Bメディカル CF850」を積載。冷蔵庫容量は396リットルで、ワクチンパッケージ400個分を収容できる。冷蔵庫は独立のバッテリーにより電源無しで約16時間稼働。冷蔵庫は走行中は車両から充電し、駐車中は外部電源から充電できる。
3社は、今回のワクチン保冷輸送車のPQS取得が、少しでも地域の安全と安心に貢献できるように取り組みを続けていく。
「途上国の子どもたちを救え」豊田通商など3社協業のワクチン輸送車…WHO認証を取得
2021年03月31日(水) 21時00分
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