アウディ Q3 新型《写真撮影 柳田由人》

◆大人4人乗車するも窮屈さ感じず

かつての欧州ブランドは、高重心のSUVに消極的だったが、2000年以降は走りの技術も向上して選択肢を充実させている。

アウディの場合、以前の『Q3』はファミリーで使うには小さく(後席の広さは『Q2』と同程度だった)、『Q5』では大柄に感じた。少々選びにくいラインナップだったが、Q3が現行型にフルモデルチェンジされ、ボディを少し拡大したからファミリーユーザーにも使いやすくなった。


現行Q3はSUVでありながら、標準ボディとスポーツバックの2種類をそろえる。スポーツバックは全高が45mm低く、リヤゲートを寝かせたから、スポーティに見える代わりに後席の頭上と荷室高が少し低い。

それでも窮屈には感じない。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、両ボディとも握りコブシ2つ分の余裕がある。頭上の空間は、標準ボディが握りコブシ1つ分、スポーツバックはそれ以下だが、頭部が天井に触れることはない。

◆先代型から乗り替える際は、取りまわし性の確認を


ガソリンの「35TFSI」は、直列4気筒1.5リットルターボを搭載する。車両重量が1500kgを超えるのでパワフルではないが、駆動力は2.5リットルのノーマルエンジンと同等で、吹き上がりは活発だ。7速ATの採用でエンジンパワーが有効活用され、性能的な不満はない。

クリーンディーゼルターボの「35TDI」は、最大トルクが3.5リットルのガソリンエンジンと同等だから、発進加速は力強い。フル加速時にはATが4000回転を超えた領域でシフトアップするから、ディーゼルとしては高回転域の伸びも良い。


乗り心地は、19インチタイヤ装着車は少し硬い。その点で18インチはバランスが良い。操舵に対する反応は少し鈍いが、アウディの穏やかに走るブランドイメージに合っている。駆動方式はガソリンが前輪駆動の2WD、ディーゼルは4WDになる。価格が500万円を超えるものの、ディーゼル&4WDの推奨度が高い。

標準ボディのサイズは、「35TDI クワトロ Sライン」の場合で、全長が4495mm、全幅は1840mm、最小回転半径は5.4mだ。先代型はコンパクトSUVだったが、現行型はミドルサイズになっている。先代型から乗り替える時には、取りまわし性を確認したい。



■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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