2021年型「レッドブルRB16B・ホンダ」の発表写真。《Photo by Red Bull》

F1に参戦するレッドブルは23日、2021年型マシン「RB16B」を発表した。今季はタッグを組むホンダにとっての参戦最終年であり、レッドブル・ホンダとしての“ラストチャンス初戴冠”に期待が高まる。

レッドブルは姉妹チームのアルファタウリ(2019年までの名称はトロロッソ)が2018年にホンダのパワーユニット(PU)使用を開始したのに続き、翌2019年からホンダPUを搭載。レッドブル・ホンダのタッグでは、2019年に3勝、2020年に2勝をそれぞれマークした(優勝者はいずれもマックス・フェルスタッペン)。

ホンダは今季2021年限りでのF1参戦終了を昨秋に発表している。既報の通り、2022年以降もレッドブル陣営(レッドブルとアルファタウリ)はホンダのPU技術を使用した“自製PU”を仕立ててF1を戦うことになった。とはいえ、レッドブル・ホンダとしては今季が最終年である。日本の目線からは当然、ラストチャンスでのタッグ初戴冠が望まれるところだ。

上記したような意味で但し書きは付くが、“最後のレッドブル・ホンダ”となる2021年シーズンのマシン、その名は「RB16B」である。コロナ禍によって今季は完全ブランニューのマシンを使用することはできなくなった規則状況下、レッドブルは車名に関して、昨年型の型式(RB16)にBを付けるかたちを採ってきた。ただ、可能な範囲で今季に向けての前進が図られたマシンであることは間違いない。

レッドブルRB16B・ホンダでシーズンを戦うドライバーは、フェルスタッペンとセルジオ・ペレス。昨季レーシングポイント(現アストンマーティン)で自身初優勝を飾るなどの活躍を演じたベテラン、ペレスが移籍加入し、“若き大エース”フェルスタッペンと組む。

昨季最終戦アブダビGPは、フェルスタッペンが完勝といっていい内容で制している。既にタイトル争いの面ではドライバー、コンストラクターの両部門とも消化試合で、王者ルイス・ハミルトン(メルセデス)がコロナ欠場明けだった、等々の要素もあったとはいえ、“王車”メルセデス勢を2-3位(2位バルテリ・ボッタス、3位ハミルトン)に下しての完勝はその価値充分、今季への期待感を増幅するものであった。そうして高まった期待を現実のものとできるか?

レッドブルとホンダは、個別にはタイトル獲得経験を有する。強敵メルセデスを打倒して今季の戴冠が叶えば、レッドブルにとっては2010〜13年に4年連続でドライバー&コンストラクター両部門王座を獲得して以来。ホンダにとっては、かつてウイリアムズ・ホンダ〜マクラーレン・ホンダとして1986〜1991年にコンストラクターズタイトル6年連続獲得、1987〜1991年は5年連続でドライバースチャンピオンも輩出して以来の頂点となる。

現地24日には英国シルバーストン・サーキットで、フィルミングデー(最新マシンの走行が認められる、チーム個別の撮影用日程)を使用したRB16Bの実走が予定されている。

2021年型「レッドブルRB16B・ホンダ」の発表写真。《Photo by Red Bull》 今季に向けてレッドブルに移籍加入したセルジオ・ペレス(写真は1月、ファクトリー来訪時)。《Photo by Red Bull》 レッドブルのエース、マックス・フェルスタッペン(昨季最終戦アブダビGP優勝時)。《Photo by Red Bull》 2020年シーズン最終戦の「レッドブルRB16・ホンダ」。《Photo by Red Bull》 今季型マシン発表日に実施されたイベント「An Evening with Red Bull Racing」の模様(オンラインイベント。多数ある展示車は歴代マシンだと思われる)。《Photo by Red Bull》 今季型マシン発表日に実施されたイベント「An Evening with Red Bull Racing」の模様(オンラインイベント。多数ある展示車は歴代マシンだと思われる)。《Photo by Red Bull》