キャデラック・リリックを起用した映像『オール・エレクトリック・キャデラック・リリック:シザーハンズ・フリー』《photo by Cadillac》

キャデラックは2月8日、ブランド初のEVの『リリック』(Cadillac LYRIQ)を起用した映像、『オール・エレクトリック・キャデラック・リリック:シザーハンズ・フリー』を公開した。

この映像は、1990年に米国で公開された映画『シザーハンズ』(原題: 『エドワード・シザーハンズ』)のリメイク版だ。『シザーハンズ』はティム・バートン監督の作品で、俳優のジョニー・デップが、「ハサミの手」を持つ主人公のエドワード・シザーハンズを演じている。

◆GMの新しいEVプラットフォーム

GMが新開発した第3世代のEVプラットフォームを搭載したブランド初のEVだ。

リリックに初めて搭載されるGMの新世代EVプラットフォームは、柔軟性があると同時に、設計や開発にかかる時間を短縮し、顧客の要望に迅速に対応することを可能にした。キャデラックリリックに続いて、シボレー、GMC、ビュイックの各ブランドのさまざまな車種に、GMの新世代EVプラットフォームは拡大展開される予定だ。

GMの新開発グローバルEVプラットフォームは、優れたデザイン、パフォーマンス、パッケージング、航続を追求している。リリックは、より低い重心とほぼ50/50の前後重量配分により、スポーティでレスポンスに優れ、俊敏な走行を可能にしているという。

◆GMが新開発した「アルティウム」バッテリー

新開発した「アルティウム」バッテリーも採用される。アルティウムは、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができるのが特長だ。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができる。

アルティウムバッテリーの蓄電容量は、50〜200kWhだ。この中から、リリックには、まず100kWhが搭載される予定。アルティウムバッテリーによって駆動するEVは、レベル2の直流(DC)急速充電に対応して設計されている。多くの車両が、400Vのバッテリーパックで最大出力200kWの急速充電機能を備える。

自社開発による電気モーターは、前輪駆動(FWD)、後輪駆動(RWD)、全輪駆動(AWD)、パフォーマンスAWDに対応している。リリックの場合、後輪駆動が標準でパフォーマンスAWDがオプションとなる。

◆ハンズフリーの部分自動運転が可能な「スーパークルーズ」の最新版

ハンズフリーの部分自動運転が可能な「スーパークルーズ」の最新版が採用される。スーパークルーズは、地図情報データベース、ライダー(LiDAR)、高精度GPS、最新のドライバーアテンションシステム、カメラとレーダーセンサーのネットワークを組み合わせたもの。緊急時には、車載テレマティクスサービスの「オンスター」と連動する機能も備えており、ユーザーは、米国とカナダの延べ32万kmの高速道路を、ハンズフリーで走行することができる。

スーパークルーズのドライバーアテンションシステムは、ドライバーの車両コントロールを支援する。走行方向に注意を向ける必要がある場合、警告を発して知らせてくれる。ドライバーは、スーパークルーズを使用している間、常に注意を払い、いつでもマニュアル運転に戻れるよう準備しておく必要がある。ドライバーの認識技術には、「セーフティアラートシート」とズーム&チルト調整を備えた最新世代のリアカメラミラーが含まれる。

スーパークルーズの最新版には、自動レーンチェンジ機能が導入される。ドライバーからの要求があり、かつ特定の条件が満たされた場合に、ハンズフリーの部分自動運転中に、高速道路で車線変更を自動で行う。

スーパークルーズの作動中、ドライバーはウインカーに触れて、車線変更を希望する意思を表示する。これにより、システムは車線変更が安全に行えるかどうかを判断し、安全が確認された場合、自動で車線変更を行う。なお、ドライバーアテンションシステムは、車線変更中にドライバーが引き続き、車両の周囲に集中することを要求する。

◆オリジナル作品に出演のウィノナ・ライダーが今回演じるのは…

キャデラックは、このリリックを起用した映像、『オール・エレクトリック・キャデラック・リリック:シザーハンズ・フリー』を公開した。米国の一大スポーツイベント、「スーパーボウル」向けに制作したもので、リリックと同車に搭載されるハンズフリーの部分自動運転が可能なスーパークルーズをフューチャーしている。

なお、リメイク版では、俳優のティモシー・シャラメが主人公のエドワード・シザーハンズを演じた。その母親役には、オリジナル版でエドワードの恋人役だったウィノナ・ライダーが出演している。

リメイク版の制作を承認したティム・バートン監督は、「エドワードが、新しい世界に対応しているのがうれしい。従来からのファンと、エドワード・シザーハンズを初めて知った人々の両方が楽しんでくれることを願っている」とコメントしている。

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