アウディQ5スポーツバック《photo by Audi》

アウディは1月25日、『Q5スポーツバック』(Audi Q5 Sportback)を2021年前半、欧州市場で発売すると発表した。

アウディは、「スポーツバック」を拡大する戦略を掲げている。すでに、小型SUVの『Q3』には、SUVクーペの『Q3スポーツバック』が設定された。この流れに沿う形で、中型SUVの『Q5』から、Q5スポーツバックが派生している。

◆12Vのマイルドハイブリッド搭載

欧州仕様のパワートレインは発売当初、ガソリン1、ディーゼル2の合計3種類だ。すべてのエンジンが、欧州の「Euro 6d ISC-FCM AP」排出ガス基準に適合している。

「40TDIクワトロ」グレードには、直噴2.0 リットル直列4気筒ターボディーゼル「TDI」エンジンを搭載する。最大出力は204ps、最大トルクは40.8kgmを発生する。0〜100km/h加速7.6秒、最高速222km/hの性能を発揮する。

このエンジンには、12 Vのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた。ベルト駆動のスターターオルタネーターは、減速時にエネルギーを回収し、コンパクトなリチウムイオンバッテリーに蓄える。低負荷走行時には、エンジンをオフにして、惰性走行を行う。エンジンのスタート&ストップは、22km/h以上の幅広い領域で作動する。

7速Sトロニックと「アウディウルトラテクノロジー」を備えた4WDの「クワトロ」は、通常の走行状態では、駆動トルクを前輪のみに配分する。滑りやすい路面などでは、瞬時に駆動トルクを後輪にも配分し、4WDに切り替わる。

「45TFSIクワトロ」グレードには、直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボ「TFSI」エンジンを搭載する。最大出力は265ps、最大トルクは37.7kgmを引き出す。動力性能は0〜100km/h加速が6.1秒、最高速は240km/hだ。12Vマイルドハイブリッドシステム、7速Sトロニックトランスミッション、アウディウルトラテクノロジーを採用したクワトロドライブを搭載している。

◆マトリクスLEDヘッドランプ

外観は、アウディの「Qモデル」に共通する力強い存在感を追求している。フロントには、八角形のシングルフレームグリルが配され、その左右には、大型の吸気口がレイアウトされた。デイタイムランニングライト付きのヘッドライトはLEDが標準。「マトリクスLED」ヘッドランプがオプション設定された。マトリクスLEDヘッドランプのアダプティブハイビームは、他の道路ユーザーを眩惑することなく路面を明るく照らし、より高い安全性と利便性を提供するという。

連続的でエレガントに流れるショルダーラインは、ホイール周辺の力強さや、4WDのクワトロを強調する。キャビンは低い位置に広がり、サイドクオーターウィンドウは後方に向かって急激に細くなっている。傾斜の強いリアウィンドウと高い位置にあるリアバンパーが、ダイナミックでパワフルな印象を与えている。

全長は4690mmで、Q5よりも7mm長い。1890mmの全幅と、1660mmの全高は共通だ。2820mmのホイールベースが、室内に充分なスペースをもたらしている。

◆3種類のリアライトシグネチャーが選択可能

テールライトには、世界初の「デジタルOLED」テクノロジーを導入した。「OLED」は、均一な光面を生成する非常に効率的な有機発光ダイオードだ。オプションの「OLEDリアライト」は、6つのセグメントから構成される3つのタイルに分割されている。これにより、アウディのデザイナーと開発者は、同一のハードウェアを使用して、異なるライトデザインとシグネチャーを生み出すことが可能になったという。

顧客は注文する際に、3種類のリアライトシグネチャーの中から、好みのデザインを選択することができる。それぞれのライトシグネチャーは、独自のカミングホーム/リービングホームデザインを備えている。「アウディドライブセレクト」のモードを「ダイナミック」に切り替えると、ライトがさらに別のシグネチャーに切り替わる。OLEDリアコンビネーションライトには、近接検知機能も採用した。他の道路ユーザーが、停止している車両の後方から2m以内に近づくと、すべてのOLEDセグメントが点灯する。動き始めると、元のライトシグネチャーに戻る。

◆従来の10倍の処理能力を持つ第3世代のモジュラーインフォテインメント

Q5スポーツバックの新しい制御ユニットは、従来の「MIB 2」の10倍の処理能力を持つ第3世代のモジュラーインフォテインメントプラットフォーム、「MIB 3」をベースにしている。

標準仕様には、中央にドライバーインフォメーションシステムを備えたメーターパネルが装備される。最上位仕様には、3種類の異なるグラフィックレイアウトを備えた高解像度12.3インチディスプレイの「アウディバーチャルコックピットプラス」が用意された。ドライバーは、マルチファンクションステアリングホイールを介してディスプレイを操作することが可能。オプションで、ヘッドアップディスプレイを装着することもできる。

ダッシュボードの中央には10.1インチ「MMIタッチディスプレイ」が標準装備される。このディスプレイは、フラットなメニュー構造により、非常に使いやすく、フリーテキスト機能を使用して検索することができる。ドライバーは、文字を手で入力するか、ボイスコントロールシステムを介して入力するかを選択できる。「Audi connectナビゲーション&インフォテインメント」を含む「MMIナビゲーションプラス」インフォテインメントシステムを組み合わせると、ボイスコントロールシステムはクラウドにアクセスできるようになり、さらに高度な情報を得ることができるという。

「Audi connect」オンラインサービスは、車両とインターネット、交通インフラを接続する。ナビゲーションシステムは、「Google Earth」からの高解像度の衛星画像に加えて、レーンごとの交通の流れや、交通渋滞予測に関する情報を提供する。DAB+デジタルラジオが標準装備される一方で、Amazonの「Alexa(アレクサ)」サービスを利用すると、何千ものAlexaスキルにアクセスすることができる。

Audi connectが提供する「Car-to-X」サービスは、よりリラックスした運転を可能にする。例えば、道路沿いの空き駐車スペースを見つけたり、信号機と通信して、可能な限り信号を青で通過するための情報を取得したりすることもできる。「myAudi」アプリは、ユーザーのスマートフォンと車両を接続する。

このアプリを使うと、頻繁に利用するナビゲーションの目的地から、シートの位置、好みの空調設定まで、さまざまな個人設定を6つのユーザープロフィールに保存できる。これらのデータはクラウド内のmyAudiカスタマーポータルに保存され、この機能に対応した車両では認証済みのユーザーが利用できる、としている。

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