セルジオ・ペレス(2020年トルコGP)《Photo by Pirelli》

18日、F1に参戦しているレッドブル・レーシングは、来季2021年のレースドライバーとしてセルジオ・ペレスと契約したことを発表した。これで2021年のF1のレースシートはすべて埋まったことになる。

ホンダ製パワーユニット(PU)搭載チームであるレッドブルの来季布陣については、マックス・フェルスタッペンの残留は決まっていたものの、もうひとりをどうするかが焦点になっていた。陣営の最終的な選択はベテランのセルジオ・ペレス。レッドブルの育成プログラム出身者以外を起用することとなった。

来年1月で31歳になるペレスは、2011年にF1デビューしたメキシコのドライバー。F1参戦当初は当時のザウバーで小林可夢偉のチームメイトだったことでも知られる。フォースインディア〜レーシングポイント陣営(来季からはアストンマーティンになる陣営)で長く走っており、今季終盤の第16戦サクヒールGPではF1初優勝を達成した。自身通算190戦目での初優勝とされ、これはF1史上最も遅い初優勝記録となっている。

初優勝して、ドライバーズランキング4位となったペレスだが、来季のレースシートからはあぶれそうな状況になっていた。

しかし、レッドブルがフェルスタッペンのパートナーを19年後半〜20年と1シーズン半ほど務めたアレクサンダー・アルボン(今季最高3位)のパフォーマンスには満足していないことが以前から継続的に報じられており、やがて「来季は(浮いてしまう状況にある)ペレスを起用するのではないか」という話も広がっていた。それが正式決定を見たかたちになる。

ピンチ一転、コンストラクターズランキング2位のチームに加入することとなったぺレスは、「2021年にレッドブルでレースするチャンスを与えてくれたことに、すごく感謝している」と喜び、「チャンピオンシップを争うチームで走ることは、F1を戦っているなかで望み続けていたことであり、マックス(フェルスタッペン)とともにレッドブルカラー(のマシン)でグリッドにつくときには、とても誇らしい気持ちになるだろう」などのコメントを発表している。

アルボンは来季のレースシートを喪失したが、レッドブルに残り、主に2022年への開発を担うテスト&リザーブドライバーとなる。

実質最終シートとなっていたレッドブルの1席が決まり、これで来季2021年のF1を戦うレースドライバー20人に関しては全陣容がかたまった(もちろんF1界では、あとから何が起きても不思議はないが…)。

王者ルイス・ハミルトンはまだ正式契約は結んでいないという話ながら(近日締結予定とも)、先日FIAが発表した最新の2021年エントリーリストには彼の名がメルセデスのドライバー欄に入っており、残留は既定路線。以下はそのリストをもとにした来季ドライバーの一覧である(リスト発表時は未定だったアルファタウリ=角田とレッドブル=ペレスを加えたもの)。

■2021年F1レースドライバー
メルセデス(メルセデス製PU) L.ハミルトン/V.ボッタス
レッドブル(ホンダ製PU) M.フェルスタッペン/S.ペレス
マクラーレン(メルセデス製PU) D.リカルド/L.ノリス
アストンマーティン(メルセデス製PU) S.ベッテル/L.ストロール
アルピーヌ(ルノー製PU) F.アロンソ/E.オコン
フェラーリ(フェラーリ製PU) C.ルクレール/C.サインツJr.
アルファタウリ(ホンダ製PU) P.ガスリー/角田裕毅
アルファロメオ(フェラーリ製PU) K.ライコネン/A.ジョビナッツィ
ハース(フェラーリ製PU) N.マゼピン/Mick.シューマッハ
ウイリアムズ(メルセデス製PU) G.ラッセル/N.ラティフィ

(*アストンマーティンは今季のレーシングポイント、アルピーヌは今季のルノー。マクラーレンは今季ルノー製PUで戦っていたが、来季はメルセデス製PUを搭載)

7年ぶりに日本人選手がレースドライバーとして戦うことになる2021年のF1は、3月にオーストラリア・メルボルンで開幕して史上最多23戦を実施するというのが現段階でのプラン。日本GP(鈴鹿)は10月10日決勝予定となっている。

セルジオ・ペレス(2020年サクヒールGP)《Photo by Pirelli》 セルジオ・ペレス《Photo by Red Bull》 セルジオ・ペレス(右。2018年アゼルバイジャンGP)《Photo by Pirelli》 #23 アレクサンダー・アルボン/レッドブル・ホンダ(2020年シーズン)《Photo by Red Bull》 アレクサンダー・アルボン(2020年シーズン)《Photo by Red Bull》 アレクサンダー・アルボン(右。2019年シーズン)《Photo by Red Bull》