スバルの中村知美社長(参考画像)《写真撮影 池原照雄》

SUBARU(スバル)が11月4日に電話会議で発表した2021年3月期の第2四半期(4〜9月期)連結決算は、営業利益が306億円(前年同期比68%減)の黒字となった。主力の北米市場の回復が進んでおり、通期予想は上方修正した。

第1四半期の営業利益は157億円の赤字だったが、黒字転換した。第2四半期のグローバル連結販売は、コロナ禍により28%減の36万3300台に落ち込んだ。主力の米国は22%減の26万0900台、日本は38%減の4万2500台などとなった。

販売の減少による売上減や構成差による営業減益要因は1149億円にのぼった。研究開発費を拡充させているので、これも127億円の減益に作用した。また、為替は1ドル107円で2円の円高となり、全体では67億円の減益要因になった。売上高は1兆2184億円(24%減)、純利益は237億円(65%減)の黒字だった。

電話会議で中村知美社長は、主力の北米市場について「想定より早い回復基調が見られている」としたうえで、米国、カナダとも「9月、10月の小売り販売は前年を上回り、単月で過去最高になった」と復調ぶりを紹介した。

通期予想については、グローバルの連結販売を前期比12%減の91万0600台とし、堅調な回復見込みとした。営業利益は第1四半期時点の予想から300億円多い1100億円(48%減)、純利益については200億円増額の800億円(48%減)に上方修正した。売上高は500億円増額の2兆9500億円(12%減)としている。営業損益段階では売上・構成差による減益が929億円、為替の円高影響で272億円の悪化を想定した。

中村社長は米国の状況について、足元では新型コロナの感染者が過去最高で推移していることから「まだまだ経済活動の制約は大きく、日本より窮屈な生活を強いられている。新車販売の回復は現時点では不透明と言わざるを得ず、リスクをはらんでいる」と慎重な見方も示した。

また、岡田稔明専務執行役員は、通期の米国でのインセンティブ(販売奨励金)について、販売台数減で総額は96億円の削減になるものの、台当たりでは前期の1600ドルから今期は1650ドルに積み増す計画を示した。

スバル・レヴォーグ新型と中村社長《写真提供 スバル》 スバル・レガシィ(米国仕様)《photo by SUBARU》