フェラーリは今週末のトスカーナGPで「1000 GP」の節目を迎える。《写真提供 Pirelli》

今週末(11〜13日)、イタリアのムジェロ・サーキットで開催されるF1トスカーナGPで、フェラーリが「1000 GP」の節目を迎える。トスカーナGPの正式名称は「Formula 1 Pirelli Gran Premio Della Toscana Ferrari 1000 2020」、レース名にも“フェラーリ 1000”が入る。

フェラーリのF1世界選手権レース初出走は、選手権初年度である1950年の第2戦モナコGP。ちなみにF1世界選手権レースの開催数自体は今回のトスカーナGP(今季第9戦)が1027レース目になる計算であり、フェラーリが“27戦遅れ”で史上初の参戦1000レース目を迎えることとなった(注:「参戦」の定義の仕方や、コンストラクターとして、チームとして、などの統計種別によって「1000 GP」の解釈は複数存在し得る)。

トスカーナGPはイタリア・トスカーナ州のムジェロ・サーキットが舞台。フェラーリが母国イタリアで1000レース目を戦えるのは、コロナ禍がもたらした状況といえるだろう。

今季2020年のF1が当初の予定通り3月に開幕し、まったく普通に進行していれば、フェラーリの1000レース目にあたる今季第9戦は6月のカナダGPだった。イタリアでの開催もモンツァでのイタリアGP(9月)のみがラインアップされていたが、コロナ禍によってF1はカレンダーの大幅変更を余儀なくされ、開幕が7月になり、イタリアでの開催数が増えていく状況下、今季第9戦にこのムジェロでのGPが“フィット”する格好になった。

フェラーリ所有のサーキットとされるムジェロでのF1世界選手権レース開催は初めて。なお、トスカーナGPは今季初めての“有観客戦”になるという(ただし、限定2880人/日とのこと)。

記念すべき一戦に、フェラーリは今季型マシン「SF1000」を特別仕様に彩ってスタンバイ。もちろん赤基調だが、赤は赤でも参戦1レース目当時を思わせる種類という赤を纏い、その背には誇らしく「1000 GP」のロゴが描かれる。セバスチャン・ベッテル、シャルル・ルクレールのレーシングスーツにも「1000 GP」が入るなどする。

過去999戦の成績は、優勝238回、ポールポジション228回(フェラーリの10日発行のリリースより抜粋した数字)。

今季のフェラーリは近年稀な不振に陥っており、前戦イタリアGP(モンツァ)ではほとんどいいところなくダブルリタイアに終わっている。今回の「1000 GP」メモリアルレースを機に前進し、やがて本格的な反転攻勢に出ることを期待したいが……!?

F1トスカーナGPは9月13日決勝開催予定。決勝前には現F2ドライバーのミック・シューマッハが、父ミハエルの7回目の王座獲得マシンであるフェラーリF2004での走行を披露する予定にもなっている。ミハエル・シューマッハはフェラーリに1996年から2006年まで在籍し、その間に72勝。これはフェラーリの通算勝ち星の約3割に相当する。

「1000 GP」仕様のフェラーリSF1000。《写真提供 Ferrari》 ルクレール(左)とベッテル(右)も「1000 GP」仕様のレーシングスーツで戦う。《写真提供 Ferrari》 トスカーナGP開催を週末に控えたムジェロ・サーキット(木曜の様子)。《写真提供 Pirelli》 トスカーナGP開催を週末に控えたムジェロ・サーキット(木曜の様子)。《写真提供 Pirelli》 トスカーナGP開催を週末に控えたムジェロ・サーキット(木曜の様子)。《写真提供 Pirelli》 トスカーナGP開催を週末に控えたムジェロ・サーキット(木曜の様子)。《写真提供 Pirelli》 厳しい戦況が続く今季のフェラーリ(手前右)。記念すべきレースから反撃なるか…?(写真はベルギーGP)《写真提供 Pirelli》