転倒のリスクが高い乗客を赤枠で通知《写真提供 アイシン精機》

アイシン精機は、産業技術総合研究所が経済産業省、国土交通省から受託した「中型自動運転バス実証実験事業」にて、バス運行事業者として選定された大津市(滋賀県)および京阪バスの実証実験に参画する。

実証実験は、7月12日から9月27日の間、大津市の大津駅からびわ湖大津プリンスホテルを結ぶ湖岸ルートにて実施。転倒リスク通知システムを実装した中型自動運転バスを運行し、技術の有効性や地域でのサービスに対する受容性を検証していく。

アイシン精機はプロジェクトの中で、車内カメラで乗客の身体能力を推定、転倒リスクが高い乗客を車掌へ通知する転倒リスク通知システムの技術開発を担っている。同社独自の「身体能力推定技術」と、アジラが持つ、人の骨格を認識し、同一乗客をトラッキングする技術を組み合わせることで、乗客ごとのバスに乗り込む際の特定の動作特徴を数値化し、転倒リスクを判定。高齢者や障がい者など、バス乗車時に転倒に不安を抱える人々にとっても安心して乗車できる自動運転バスの普及に貢献する。

身体能力推定技術は、アイシンが強みとする画像認識の技術を応用しており、今回、乗り込み動作から身体能力を推定する手法開発を愛知県立大学、転倒リスクを判定する基準づくりを京都橘大学と共同研究している。また、実証実験では、身体能力データに基づき、乗客にあった地域イベント情報の提供など、地域活性化につながるデータの活用に向けた基礎データ収集を行っていく。