ショーファーデプト「ドライビングフィットネス for Senior」イメージ

営業マンのための運転マナー講習や、役員送迎車両運転手の運転技術教育などで実績を持つショーファーデプトが新サービス「ドライビングフィットネス for Senior」を提供する。

近年、高齢ドライバーの運転ミスによる痛ましい交通事故が問題視されている。このため高齢者の運転免許更新には、認知力や運転技能の検査が義務付けられるなど、政府も対策を急いでいることは周知の通りである。

コロナ禍で感染リスクが低く安心できる移動手段として、自家用車が再注目されている。特に現役時代は運転手付きの送迎車両での移動が多かったような悠々自適世代も、ゴルフに行くため、あるいは孫の送迎など、移動のために改めて運転をする機会が増えたというユーザーも多い。ショーファーデプトの「ドライビングフィットネス for Senior」は、そんなユーザーに向けた新サービスだ。

高齢者と言えば、家族間で免許を返納するか否かを協議するようなユーザーもいるだろうが、実は今は元気で何の問題もなく運転しているが、いずれ衰えが来てて今の運転状況を維持できない…そう考えているシニア及びそのシニア予備軍が少なからずおり、そうしたユーザーが主な対象だとショーファーデプトは説明する。

例えるなら、体力やスタイルを維持するためにフィットネスジムに通う人。ゴルフの飛距離を何とか維持するため、あるいはスコアを維持するためにゴルフレッスンに通う人がいる。ではクルマを運転することを楽しんでいる人々は、運転技能を維持するために何かをしているだろうか?


多くのドライバーは、運転に関しては無頓着に過ごしてきたのではないだろうか。しかしながら本当はドライビング・フィットネスが必要…というわけなのだ。このサービスはショーファーデプトの代表取締役で自動車ジャーナリストの中村孝仁氏の実体験に基づいて考案されたサービス。

中村氏が今年68歳になり、以前から気になっている視力の衰え(特に動体視力)と、長時間のドライブでこれまでは感じられなかった足の痺れなど身体能力の衰えを経験するようになってきた。そこで高齢化による弊害をどう克服したらよいかというアプローチから生まれたものだという。

まずは運転を判断する材料として、普段自らが運転しているクルマの車内数か所にカメラを取り付け、運転操作を記録。同乗はせず、確認は後方から追尾する同社のエンジニアによって行われる。これによってコロナ禍でも安心してサービスを受けることが可能となっている。

収集したデータを分析することで必要なアドバイスや、より安全で快適な運転方法を一人一人のドライバーに合わせて伝授する。また、快適なドライブのためのシューズや洋服選びのサポート、さらにはクルマ選びに至るあらゆる情報の提供も行う。

多くのドライバーは前述した通り、自分の運転する姿を見たことがないだろう。いっぽうで人は常に衆目にさらされている。「見られている」をキーワードとして、これまでも様々な運転技能講習におけるサービスを展開してきたショーファーデプトならではの、「いつまでもスマートな運転」を可能にするのがドライビングフィットネスのコンセプトだ。

サービス内容は、ヒアリング〜運転モニタリング分析〜診断〜アドバイス。料金は一人一回10万円(税別・交通費別途)となっている。

現在モニターによる最終検証を行っており、サービス開始は9月中旬を予定している。

ペダルの踏み間違いによる事故のニュースが後をたたない(写真はイメージ)《写真撮影 山内潤也》