とにかくありとあらゆる車が集合《写真撮影 内田俊一》

8月23日、10周年を迎えた草の根エンスージアストイベントのフリー・モーター・ミーティング(以下FMM)が、うつのみやろまんちっく村(栃木県宇都宮市)において開催された。主催はFMM。

2010年8月以来、ほぼ毎月のように開催されてきたFMM。栃木県内を中心とするクルマ好きが集まる社交場と位置づけ、基本的には毎月第4日曜日の8時30分からお昼まで、道の駅うつのみやろまんちっく村の第3駐車場(栃木県宇都宮市)にて行われている。ただし直近ではコロナ禍の影響によりしばらくは休会していたが、7月より再開し、無事に今月10周年、そして105回目を迎えた。

FMM代表の鈴木丈生さんが「10年ほど前に知り合ったクルマ好きの友人と遊んでいたが、2人でもこれだけクルマの話で盛り上がることが出来るのであれば、もっと人が集まったらさらに面白いのに」というきっかけで始めたFMM。今回は200台以上が集まった。「思った以上にクルマが集まって驚いている。普段なかなか参加できない人たちも来てくれているようだ。天気も予報が外れてよかった」と嬉しそう。鈴木さんは晴れ男で、これまでもFMMはほぼ雨に見舞われることはなかったのだ。

その会場を見渡すと、300台収容できる駐車場はほぼ満車で、そのバリエーションは様々。中にはボルボのトレーラーヘッドまである。実はこの運送会社のオーナーはFMMの参加者で、熊本豪雨被災者に対する義援金募集も行いたいと鈴木さんに相談したのだ。そこで、少しでも多くの人たちに集まってほしいとの願いからFMMも協力し、展示スペースとともに義援金コーナーを設けたのである。さすがにめったにない経験だと多くの人たちがまさにキャビンに“よじ登って”記念撮影を楽しみ、また募金に協力していた。

さて鈴木さんにこの10年を振り返ってもらうと、「淡々とやってきたので、山も谷もなく、徐々に人数や台数が増えていった感じで、気づいたら10年経っていたのが正直なところ。そして、ここで知り合った人達が、皆でツーリングに行ったり、ここ以外で集まってみたり。そういう出会いの場にとしても、理想の形になったかなと思う」とコメント。

さらに、「普通に足に使っている軽自動車からロールスロイスやフェラーリまで集まるが、クルマに関係なく皆同じ目線で、普通に対等に話すので皆臆することなく来てほしい。イベントを行うとギャラリーと参加者との壁を感じるのだが、ここにそのようなものは存在せずイベントの雰囲気が味わえる」という。

そして、「中心年齢は40代から50代。普段の生活で突然親しい友達が出来ることは少ない年代だが、ここに来るとどんどん友人が増えていく。そしてその人に会いたくて、またここに来る。そういう出会いの場が大きな魅力だと思う。みんな穏やかでにこにこ笑いながら楽しんでいるのが一番嬉しい」と語っていた。

実際に会場を周ってみると前述の通り様々なクルマ達が止まっている。スバル『レオーネ』もいれば、日産『プレジデント』、トヨタ『スープラ』は3代目のA70以降最新型まで集まっていた。輸入車も1960年代のマセラティ『メキシコ』やたくさんのフィアットアバルトも数多く参加しており、クルマ好きであればクルマは問わずウェルカムといった雰囲気が溢れている。そして、初対面の人もそうでない人も、皆マスクの下から溢れんばかりの笑顔で話をしていたのが印象的だった。

最後に鈴木さんはこの10年続けてくることが出来たのは、「参加者のおかげ」とも。SNSにあるFMMのホームページには、「場内及び近隣道路での空ぶかしや危険運転等は厳禁」と記載されており、多くの参加者がそれを守っているからに他ならない。そしてこれからもこのルールが守られながら、この草の根エンスージアストイベントが皆の笑顔のもとに開催されていくことを多くの参加者とともに願っていきたい。

三菱 ミラージュサイボーグ《写真撮影 内田俊一》 スバルレオーネ《写真撮影 内田俊一》 ホンダプレリュード《写真撮影 内田俊一》 ホンダインテグラやアコードだが、実は3台とも左ハンドル仕様車《写真撮影 内田俊一》 ずらりと並んだ日産スカイラインとフェアレディの間にいすゞベレットが《写真撮影 内田俊一》 歴代トヨタスープラ《写真撮影 内田俊一》 日産プレジデント《写真撮影 内田俊一》 ダイハツコペンたち《写真撮影 内田俊一》 フィアットアバルトたち《写真撮影 内田俊一》 アルピーヌA310(左)とシムカラリー(右)《写真撮影 内田俊一》 左からジャガーMk2、ジネッタG4、マーコスミニ、ミニ《写真撮影 内田俊一》 フィアット500。室内にはゴート札がたんまりと(カリオストロの城より)《写真撮影 内田俊一》 マセラティメキシコ《写真撮影 内田俊一》 ボルボのトレーラーヘッド《写真撮影 内田俊一》