フォルクスワーゲン ID.4 のプロトタイプ《photo by VW》

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は7月7日、ドイツ・エムデン工場に電動車専用の組み立て工場を建設し、2022年から新型電動コンパクトSUVの『ID.4』を生産すると発表した。

ID.4はフォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの2番目のモデルだ。第一弾は、小型ハッチバックの『ID.3』だった。ID.4は、2017年春に発表されたコンセプトカーの『ID.CROZZ』の市販バージョンとして開発され、フォルクスワーゲン初の本格的な電動SUVになる。

◆ID.3と同じMEBプラットフォーム

ID.4は、世界最大の市場セグメントに成長しているコンパクトSUVセグメントに投入するために開発された。ID.3と同様、高い拡張性を持つ「モジュラーエレクトリックツールキット(MEB)」プラットフォームをベースにしている。フォルクスワーゲンによると、ID.4はコンパクトなサイズ、広い室内、スポーティなキャラクター、直感的な操作方法、完全なコネクテッド機能など、ID.ファミリーのすべての長所を備えているという。

ID.4は、力強いスタイル、先進的な機能、ゼロエミッション走行という特長を持つ。車名の数字の「4」は、コンパクトSUVセグメントを代表するニューモデルを意味する。ID.4は、『ビートル』、『ゴルフ』に続いて、フォルクスワーゲンにおける重要な歴史の扉を開いた第3のエポックメーキングモデル、ID.3に続く新型車、との意味が込められた。また、「ID.」とは、インテリジェントなデザイン、アイデンティティ、時代を先取りしたテクノロジーを表している。

◆1回の充電での航続は最大500km

洗練された空力性能を備えたID.4のエクステリアは、MEBの革新的なアーキテクチャーを表現しているという。短いフロントオーバーハングと長いホイールベースによって、室内には広いスペースが生み出された。ドライバーと乗員は、「オープンスペース」と呼ばれる広々とした明るいスペースで、リラックスすることができる。

ID.4では、数多くのモジュラー駆動コンポーネントを利用することができる。まず初めに、後輪駆動モデルが発売され、その後パワフルな4輪駆動モデルが追加される予定だ。

高電圧バッテリーはパッセンジャーセルの下に設置されているため、低い重心とバランスの取れた軸荷重配分を実現した。バッテリーの充電は、AC(交流)、DC(直流)、三相交流で行うことができる。駆動パッケージによっては、1回の充電で最大500km(WLTP計測)を走行することが可能だ。

◆2025年までに20以上のEVを発売しeモビリティを主導

フォルクスワーゲンは、ドイツ・エムデン工場に電動車専用の組み立て工場を建設し、2022年からこのID.4を生産する。他のEVを含めて、年間最大30万台のEVを生産する能力を備える予定だ。

電動車専用工場は、面積が約5万平方m。プレス工場と塗装工場も、2万3000平方m拡張される。塗装工場は近代化され、6000平方mの面積を持つ「バイカラーホール」が、車両のルーフを黒く塗装するために建設される。 ツートン塗装は、ID.シリーズならではのカスタマイズだ。さらに工場には、自動化された部品倉庫が計画されている。建物は、2021年の夏までに完成する予定だ。

フォルクスワーゲンは、eモビリティの分野において、世界のリーダーを目指している。2024年までに、eモビリティに約110億ユーロを投資し、工場の改修を進める。また、2025年までに20を超えるEVを発売し、フォルクスワーゲン車のCO2排出量を3分の1削減することを見込んでいる。

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