スズキ ワゴンR(2014年)《撮影 橋本隆志》

スズキは6月18日、『ワゴンR』など、合計158万0269台について、エンジンまたはフロントサスペンションに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。

エンジンについては、エネチャージ仕様車のクランクプーリボルトに、ねじ谷底の形状が不適切なため、耐久性が不足しているものがあることが判明。そのため、締付け軸力が低い場合にクランクプーリボルトが折損してガタが生じ、クランクシャフト位相角度を正しく検出できず、適切なエンジン制御ができなくなり、エンストに至るおそれがある。

対象となるのは、スズキ『ワゴンR』『アルト』『MRワゴン』『スペーシア』『ハスラー』、日産『モコ』、マツダ『キャロル』『フレア』『フレアワゴン』『フレアクロスオーバー』の10車種で、2012年8月21日〜2016年2月3日に製造された96万9800台。

改善措置として、全車両、クランクプーリボルトを良品に交換する。また、プーリ等に損傷がある場合には、損傷のある部品を新品に交換したうえで、クランクプーリボルトを良品に交換する。

不具合は344件発生、事故は起きていない。

フロントサスペンションについては、コイルスプリングの鋼材に対する塗料の密着性が不足しているため、砂や小石を噛み込んだ場合に、塗膜が剥がれやすく、腐食が早期に進行するものがあることが判明。そのため、そのまま使用を続けると、コイルスプリングが折損し、最悪の場合、タイヤと接触することでパンクして走行不能となるおそれがある。

対象となるのは、スズキ『ワゴンR』『アルトラパン』『MRワゴン』『スペーシア』、日産『モコ』、マツダ『フレア』『フレアワゴン』の7車種で、2013年3月28日〜2015年12月25日に製造された61万0496台。

改善措置として、全車両、フロントコイルスプリングを対策品に交換する。

不具合は460件発生、事故は起きていない。

いずれも市場からの情報によりリコールを届け出た。

改善箇所(クランクプーリボルト)《画像:国土交通省》 改善箇所(コイルスプリング)《画像:国土交通省》