ロータスカーズは5月12日、2020年後半から生産を開始する予定のEVハイパーカー、ロータス『エヴァイヤ』(Lotus Evija)に、最新のエアロダイナミクス技術を採用すると発表した。
◆EVハイパーカーで世界最軽量の1680kg
エヴァイヤは、ロータス史上最もパワフルでダイナミックなロードカーとして、ロータスの運転性能に新たな基準を打ち立てることを目指し、開発を進めている。英国初の完全電気式ハイパーカーとなり、ロータスで初めて電動パワートレインを搭載する。
ボディサイズは、全長4459mm、全幅2000mm、全高1122mm。最低地上高は105mmと低い。軽量のカーボンファイバー製モノコックと、ロータスの市販車としては初となるワンピース構造のカーボンファイバーモノコック製シャシーを採用し、車両重量は1680kgに抑えられた。ロータスカーズによると、EVハイパーカーとしては世界最軽量という。
◆4モーターで最大出力2000ps
エヴァイヤのEVパワートレインには、モーターを4個搭載する。4個のモーターは、合計で2000psのパワーと173.4kgmのトルクを引き出す。ロータスカーズによると、2000psのパワーは量産車としては世界最強という。
強力なモーターのパワーは4輪に送られ、0〜100km/h加速3秒以下、0〜300km/h加速9秒以下、最高速320km/h以上というパフォーマンスを可能にする。走行モードは5種類で、レンジ、シティ、ツアー、スポーツ、トラックが切り替えられる。
バッテリーは車体中央にレイアウトされており、蓄電容量は70kWhと大容量だ。1回の充電での航続は、WLTPの複合モードで400kmの性能を備える。充電は出力350kWの急速チャージャーを利用すれば、18分間で完了する。
◆最高速320km/h以上のパフォーマンスに貢献するエアロ技術
エヴァイヤの優れたパフォーマンスに貢献しているのが、航空機からインスピレーションを得た最新のエアロダイナミクス技術だ。
フロントには、バイプレーンのリップスポイラーを装着する。3つのセクションに分かれており、中央部分はバッテリーパックを冷却するための空気を取り入れる。量産車としては世界で初めて、メインビームとディップビームの両方にレーザー光を使用する。オスラム製のライトモジュールは非常にコンパクトで、薄い縦長デザインとした。レンズの内側には、デイタイムランニングライトを組み込む。
リアには、アクティブエアロダイナミクスを採用する。リアスポイラーは、車両の全高いっぱいまでせり上がる。F1スタイルのドラッグリダクションシステム(DRS)は、トラックモードで自動的に作動する。他のモードでは、スイッチ操作で作動させることもできる。
さらに、リアには、ルマンのレーシングカーをモチーフに、「ベンチュリートンネル」が設けられる。それぞれのトンネルは、赤いLEDで縁取られる。夜間には、戦闘機のアフターバーナーに似た視覚的効果を生み出すという。
ロータスカーズによると、エヴァイヤのエアロダイナミクスの哲学は、空気の流れをフロントで低く平らに保ち、リアで高くなるように導くことにあるという。エヴァイヤのフロント部分は口のように機能し、空気を吸い込む。そこからダウンフォースを得て、ボディ後端から空気を吐き出す。
ロータスカーズは現在、エヴァイヤのエアロダイナミクステストを進めている。抗力係数やダウンフォースの数値に関しては、今年後半に最終テストが完了した際、データを公表する、としている。
ロータスのEVハイパーカー『エヴァイヤ』、最新エアロ技術を採用…2020年後半から生産[動画]
2020年05月13日(水) 19時30分
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