気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための「緊急事態宣言」が発令されてから一夜が明けたが、日本経済を支える企業活動にもさまざまな悪影響が出始めている。
たとえば、東京都内を中心にタクシー事業を展開する「ロイヤルリムジン」グループでは、運転手や営業所の事務職員らほぼ全ての従業員にあたる約600人の解雇を決めたという。売り上げは例年の半分程度に減少。さらに、東京都などに緊急事態宣言が出されたことで業績の悪化が今後も続くことが予想されるためとしている。
一方、観光や航空業界でも、臨時休業や減便の動きがさらに拡大しているという。きょうの読売などが大きく報じているが、それによると、旅行代理店大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、緊急事態宣言の対象期限である5月6日まで、全国263の全営業所を原則休業。コールセンターや航空券の発券業務を除くほぼ全社員約6000人を特別休暇とするそうだ。また、5月31日出発分まで海外旅行の取り扱いも中止したという。
また、JTBも、緊急事態宣言の対象となる7都府県の全232店を、5月6日まで原則休業。ほかの店舗でも、対面の接客はせず電話対応に切り替えたほか、近畿日本ツーリストでも、7都府県の68店を当面休業するという。
旅行代理店がほぼ一斉休業に踏み切るのは、読売によると、HISでは売り上げの半分程度を店舗での販売が占めるそうで「旅行の予約は1〜2時間かかるケースが多いうえ、対面での接客が中心になるので、休業にすることで感染予防につなげたい」との広報担当者のコメントを伝えている。
「対面での接客」と言えば、自動車販売店などでの新車購入時も同じような条件だが、戦後最大の危機による需要減で生産ラインは停止しても、現時点では営業所を臨時休業するというニュースは見当たらない。景気ウォッチャー調査では現状判断の指数は、リーマン・ショック後や東日本大震災後を下回るほどに悪化しているという。
2020年4月9日付
●新型コロナ、休業要請調整難航、国と都、業種・補償隔たり(読売・1面)
●航空・観光追い打ち、HIS全営業所を休業、減便さらに拡大(読売・8面)
●タクシー会社600人解雇へ(読売・27面)
●東京駅周辺人出38%減、民間会社調査、7日と3月中旬を比較(朝日・1面)
●街角景況感、リーマン後を下回り最悪(朝日・3面)
●車大手進む一時帰休「三菱自、3工場最大6500人」(朝日・6面)
●自動車の都、封鎖の傷痕(朝日・7面)
●運転免許期限延長、対象拡大、7都府県は車検も延長(朝日・26面)
●全国新たに515人感染、1日最多、都も144人(産経・1面)
●原油暴落ガソリン2年半ぶり安値(産経・2面)
●東南ア、車工場稼働は3割、需要減、トヨタはタイでも休止(日経・10面)
●ホンダ、3種類の車販売店、車種幅広い通常店に統一(日経・12面)
●米で1万人一時解雇、日産、ゴーン路線重荷(日経・13面)
●中国の新車販売改善、日系5社、減少幅4割に縮小、3月(日経・13面)
緊急事態宣言 余波…HISが全営業所を臨時休業、タクシー「ロイヤルリムジン」は全従業員を解雇[新聞ウォッチ]
2020年04月09日(木) 08時49分
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