BYDの世界最大規模のマスク工場で生産されるマスク《photo by BYD》

中国のBYDは3月13日、世界最大規模のマスク工場を開設した、と発表した。現在、工場はフル稼働しており、1日あたり500万枚のマスクと30万本の消毒液を生産している。BYDは子会社にEVを生産するBYD自動車をもつ。

BYDは1月下旬、感染が拡大していた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対処するために、マスクと消毒液の製造を支援し始めた。BYDの会長が、さまざまな事業部門のリーダーと、研究開発、設計、加工、その他の役割に携わる3000人以上のエンジニアで構成される特別チームを結成した。

BYDの特別チームは、迅速に動き、マスク製造装置の研究開発と実用化を7日間で完了した。同時に、BYDは医療向けの消毒液の研究開発も6日間で完了し、8日後には新型コロナウイルス対策の最前線にいる医療スタッフに向けて、出荷された。

マスクの生産には、清潔で無菌の環境と機器が必要だ。BYDは、スマートフォンの組み立てに使用していた防塵室を、マスク生産システムの工場に変更した。これにより、BYDはマスク製造機を1日に12台以上生産できるようになった。

高品質マスクの生産ラインには、さまざまなギア、チェーン、ローラー用に約1300個の部品が必要で、その90%がBYDの自社製という。現在、1日あたり500万枚のマスクの総生産能力があり、これは2月上旬の中国のマスクの全生産能力の4分の1に相当する、としている。