新型フィアット 500 Kartell《photo by Fiat》

フィアットは、新型『500』(Fiat 500)をベースに、イタリアのデザイナーズ家具・インテリアブランドの「Kartell」(カルテル)がカスタマイズしたワンオフモデル、「500 Kartell」をイタリア本国で発表した。

このワンオフモデルは、チャリティ目的でオークションに出品される予定だ。オークションの全収益は、地球環境と生物の多様性を守るためにレオナルド・ディカプリオが設立したNPO、「Earth Alliance」に寄付される。

◆カスタマイズのテーマは創造性と革新

新型500のEV化を通じて、地球環境改善に貢献しようというフィアットブランドの戦略に賛同したのが、イタリアのデザイナーズ家具・インテリアブランドのカルテルだ。カルテルは1949年、ジュリオ・カステッリによって設立され、現在は家具、雑貨、照明、装飾品などを幅広く手がけている。

500 Kartellのテーマは、創造性と革新だ。イタリアの工業デザイン界のアイコンブランドであるカルテルは、プラスチック素材を活用して実験と研究を重ね、新しい美と機能を追求してきた。近年、同社は持続可能なプラスチックの開発にも取り組んでいる。

◆青いボディカラーはフランスの有名画家に由来

500 Kartell は、現代的デザインのオブジェといえる製品に、生命を吹き込む素材の理想的な組み合わせを表現している。エクステリアは、モノブロックカラーのコンセプトに基づき、金属、ガラス、ラバー、プラスチック、ファブリックといった異なる素材を使い、全体のカラーをカルテルブルーで統一している。このカラーは、単色の作品を手がける「モノクロニズム」を代表するフランスの画家、イヴ・クラインの有名な「イヴ・クライン・ブルー」に由来するもので、カルテルのアイコンともいえるカラーだ。

ボディパネルの表面は、環境に優しいクロム塗料を使用した「ミラーエフェクト・カルテルブルー」で塗装されている。フィアットとカルテルのロゴは、ボディから浮き出して見える。これは、素材感と深みを生み出すために、サンドブラスト加工を施したポリカーボネート素材ならではの効果という。

カラーエフェクトと並ぶエクステリアの象徴的な要素としては、パラボリックプロジェクターから回収されたポリカーボネート素材を使用したフロントグリル、ホイール、ミラーキャップなどが挙げられる。これらのコンポーネントは、糸を紡いで作られるレース生地のような形をしたカルテルの照明器具、「カブキランプ」にヒントを得たものだ。新世代の自動車の新型フィアット500のアイデンティティを表現するモチーフとして、フェルーチョ・ラヴィアーニがデザインと開発を担当した。

◆透明レースのような内装仕上げは「カブキランプ」に着想

これらのディテールはカブキランプの質感を連想させるもので、新型フィアット500にとって、特別な装飾要素となっている。カブキランプが採用する透明なレースのような質感はインテリアにも適用された。ダッシュボードのインサートのポリカーボネート製カバー、シートのデザインなどに活用されている。

エクステリアのカルテルブルーとインテリアの明るさによって、コントラストを作り出した。暖かい色調と冷たい色調を組み合わせ、クリアで軽快な環境を創出している。インテリアに採用される触感の良いテキスタイルのプラスチック素材には、最新のカルテル製の椅子と同じく、100%リサイクルされたポリプロピレンを使う。ファブリックはナチュラルで暖かい雰囲気を醸し出しており、これもリサイクル・ポリエステル100%の素材を使用している。

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