スズキ ハスラー 新型《撮影 中野英幸》

このところ、乗るクルマ乗るクルマ、★の数がどんどん多くなっていって、甘々な評価は反省したい。しかし、『ハスラー』なんてほんとに口元がゆるむ出来栄えなのだから許してほしい。これでも、ちょっと自制した★なのだ。

丸目を強調したヘッドライトの顔立ちと、野性味あふれる横からのスタイル。この存在自体がわくわくである。さらにドアを開けると、飛び込んでくるのは思い切りよくデザインされたインテリアだ。

◆「これでいいのか?」から作り直した覚悟のデザイン


ダッシュボードまわりは大きな〇が三つならんだような大胆さ。軽自動車ならではの表現力が全開だ。デザインしちゃう方もどうかと思うが、OK出しちゃう上層部もいかがなものよ? ついでに、いいね、作っちゃうよとのっかる生産技術部も腹くくっているというか。全員そろっての悪ノリぶりである。

まあね、作る人が楽しまないと、受け取る側も楽しめないのは世の常。開発途中までは、もっとおとなしく仕立てていたのに、「これでいいのか、ハスラー?」と気づいて、全面的にやり直したというから、やはりそれなりの覚悟なのである。

ドアを閉めると、ぱふっという上質な開閉音。嫌味な金属音がまったくしない。これ、軽自動車だったよね? ボディの作り込みの確かさは、こんなところからも簡単に伝わってくる。

◆日本は軽自動車だけあればいい?


そして、走り出しのなめらかさ。試乗車のエンジンは、ノーマルでターボはついていないけれど、マイルドハイブリッドで加速するときにモーターがアシストしてくれる。これがスムーズ! 発進のときも、高速道路でぐっと一気に加速したいときも、過不足なくきちんと速度を上げてくれる。

特に、高速でのパワフルさは絶妙で、そりゃ、確かに3気筒エンジンの音はちょっと高くなるけれど、十分な加速感あり。それに、一定速度に乗ってしまえばエンジン音も落ち着くし、あらこれならターボいらないじゃん? という気分である。

後ろのシートをアレンジして遊びのギアを詰め込んで、あちこちに遠出して、というストーリーがはっきりと見えてくる。いやだなあ。ほんとにもう日本は軽自動車だけあればいいよね? って気分になってしまうよね。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

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