欧州最大のボートショーといわれる「デュッセルドルフボートショー」が1月18日〜26日にかけてドイツで開催。世界71か国から、1900社を超えるマリン関連企業が出展、国内外から25万人もの来場者が押し寄せた。
現地特派員からレポートとともに、欧州のラグジュアリーなマリン事情を垣間見ることができる写真が多数届いたので紹介しよう。[写真47枚]
◆富裕層の世界を目の当たりにした、ビッククルーザー展示ホール
23万平方メートルという展示スペースの広さも圧倒的だが、そこで展示されているものも圧倒的。ビッククルーザー展示ホールには、まるでマンションのような高級クルーザーたちが鎮座していた。
今回立ち入ることは叶わなかったが、モーターボートや水上バイクなどを船上/船内に格納できる巨大な船もあるようで、海外の富裕層のレベルの違いを見せつけられた。
◆日本ではピンとこなかったモーターボートの大型化と欧州市場の現状
2018年末にヤマハ発動機の船外機工場を訪問し、そこで「世界的に大型船外機市場が好調」という製造現場からの発信を紹介したが、実際に日本でその状況を感じることはできていなかった。それから1年ほど経ってデュッセルドルフで感じたのは、文字どおり「市場が好調である(特に大型)」ということだった。
米国・マーキュリーマリン社はレーシング仕様の450馬力モデルを展開。日系メーカーでは、ヤマハ発動機の425馬力を発揮するV型8気筒エンジン船外機、スズキの350馬力のV型6気筒エンジン船外機など、各社、マリン市場が大きいといわれる欧州での需要の取り込みに力を入れている様子が垣間見られた。
また、各社は白いエンジンをラインアップに加えるなど、バリエーション展開に力が入れられていた。BRP社は、側面などが赤く塗られた船外機を展示。船外機そのものにもデザインが求められるようになってきている。
◆V8船外機の「多機掛け」も
ヤマハ発動機のブースでは、V型8気筒エンジン船外機を搭載したボートを実際に見ることができた。現地では「XTO Offshore」の愛称で呼ばれるこの船外機は、海外で大変な人気を博しているそうで、顧客は複数の船外機を「多機掛け」してボートに搭載するのだという。
40フィート級(約12m)のボートに多機掛けで展示されている姿は圧巻。イタリアのボートメーカーでは、このXTO Offshore を4機(=1700馬力)も搭載できる50フィートのボートもラインアップされているそうだ。
船外機だけでなく、水上バイクやボートの展示など、総合マリンメーカーとしての打ち出しが目立ったヤマハ発動機はマリン事業が2020年で60周年を迎えることを記念して、過去のモデルなども展示していた。
さらに、「HARMO」と名付けられた電動の推進器も参考出展として展示されていた。ボートの世界にも電動化の波は訪れるのか。
◆BMWと協業するトルキードの電動ボート
同ショーではヤマハ発動機の他にもモーター駆動の推進器や電動ボートが数多く見られた。特に、Torqeedo(トルキード)というブランドは、さまざまなバリエーションを持ち、頭ひとつ抜きん出ている印象だった。欧州で盛んなセーリングで、ヨットの補機などに使われているようだ。また、Deep Blueと呼ばれるバッテリーは、BMWとの協業によるものだという。
トルキードを載せたパッケージボートがみられたほか、「静粛性」をうたった電動ボートも展示されており、環境意識が高いとされている欧州の人々の関心が「電動化」に向いていることを体感した。
取材協力:ヤマハ発動機
そびえ立つクルーザー、これが富裕層の世界か…欧州最大のマリンショーに潜入[フォトレポート]
2020年02月26日(水) 10時30分
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