フェラーリの2020年型F1マシン「SF1000」が公開された。《写真提供 Ferrari》

F1に参戦しているフェラーリは11日(日本時間同日深夜)、今季2020年シーズンを戦うマシン「SF1000」を発表した。

近年はコンストラクター(チーム)部門ランキング2位がほぼ定位置で、同部門王座からは2007〜08年の連覇を最後に遠ざかっているイタリアの名門フェラーリ(スクーデリア・フェラーリ)。ドライバーズチャンピオン輩出は07年のキミ・ライコネンが最後となっている。昨季2019年は開幕前の下馬評こそ高かったが、結局メルセデスの牙城はまったく崩せず、21戦3勝に終わった。

フェラーリは2010年代を両タイトルとも無冠のまま終了。1950年に始まったF1世界選手権に“全年参戦”してきたF1の代名詞ともいえるチームにとって、10年区切りの年代で完全無冠となったのは2010年代が初めてである(1990年代がピンチだったが、最後の99年にコンストラクターズ王座を獲得。また、58年発足のコンストラクターズ王座は61年が初獲得だが、50年代にはドライバーズチャンピオン輩出の実績があった)。

今季もセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールのコンビで戦うフェラーリは、全10チームの先陣を切ってニューマシンを発表した(カラーリングのみ公開済みの陣営は他にあり)。チームにとって久々の頂点を狙うマシンの名は、「SF1000」。

フェラーリのF1マシンは命名法に一貫性がないことで知られる。いろいろな記念の数字やスペック上の数字等をもってきてコロコロ変わるのが特徴であり、昨年型の「SF90」から、今年は「SF1000」になった。SFはスクーデリア・フェラーリの頭文字として、昨年の「90」はチーム設立90周年を示すとされていたが、今年の「1000」は年内にフェラーリがF1世界選手権公式戦の通算1000レース目を迎えることにちなむとされる。

F1世界選手権公式戦それ自体は2019年の第3戦中国GPにて通算1000レースをカウント済み、昨季終了時点で1018レース開催に到達している。1950年から“全年参戦”しているフェラーリとはいえ、1950年開幕戦等の欠場があり、昨季終了時点での通算参戦レース数は(参戦の概念等を含めて諸説あるが)991と見られる。つまり、F1それ自体からは1シーズン遅れになるが、今季中にフェラーリが通算1000レース目を迎えることはほぼ確実に見込まれる状況なのだ。

現状のカレンダー通りならば6月の第9戦カナダGPがフェラーリの1000レース目になるが、4月の中国GPが新型肺炎問題の影響で中止や延期等の措置を受ける可能性が高く、どのレースが実際に1000レース目になるかは流動的(現状の“本命”はカナダの次のフランスGPか?)。だが、とにかく1000レース目を迎えることになる今季、フェラーリとしてはこの「SF1000」で最近の“万年2位”から脱し、2020年代最初の年に悲願の王座奪回を成し遂げたいところだ。

2月中旬には各チームの新車発表が続き、19〜21日と26〜28日にスペイン・バルセロナで合同テストが開催される予定のF1。3月13〜15日の初戦オーストラリアGPに向け、次第に開幕ムードが高まっていくことになる。

フェラーリの2020年型F1マシン「SF1000」が公開された。《写真提供 Ferrari》 フェラーリの2020年型F1マシン「SF1000」(後方左=#16 ルクレール、右=#5 ベッテル)。《写真提供 Ferrari》 フェラーリの2020年型F1マシン「SF1000」。《写真提供 Ferrari》 フェラーリの2020年型F1マシン「SF1000」。《写真提供 Ferrari》 フェラーリの2020年型F1マシン「SF1000」。《写真提供 Ferrari》 フェラーリの2020年型F1マシン「SF1000」。《写真提供 Ferrari》 #5 セバスチャン・ベッテル《写真提供 Ferrari》 #16 シャルル・ルクレール《写真提供 Ferrari》