スバル・レヴォーグ・プロトタイプSTI Sport(東京オートサロン2020)《撮影 安藤貴史》

SUBARU(スバル)は1月20日に都内の本社で報道関係者向けの技術ミーティングを開き、中長期で取り組む安全や環境への技術対応策を提示した。

このなかでCTO(最高技術責任者)を務める大拔哲雄専務執行役員は、同社の先進運転支援システムである「アイサイト」について、センサーの進化や交差点での事故対応強化などを図った「新世代アイサイト」を次期『レヴォーグ』から搭載を始めると明らかにした。同車は2019年10月に東京モーターショーでプロトタイプが初公開されており、今年後半に日本で発売される。

20日のミーティングで大拔専務は、新世代アイサイトではステレオカメラの視野拡大やデータ処理能力の向上、他のレーダーセンサーとの協調による車両の全周囲センシングなどを実現すると紹介した。レーダーについては、すでに昨年、次期レヴォーグでは前後計4個を搭載すると公表していた。

こうしたセンサーや処理能力の向上により、新世代アイサイトでは交差点や市街地での事故対応を強化する。交差点では出会い頭や、右曲時に前方から直進して来るクルマ、歩行者や自転車などの巻き込みといった事故シーンに、自動ブレーキなどで事故防止や被害軽減を図れるようにする。また、高速道路での運転支援では車線変更支援、カーブ予測自動減速、渋滞時のハンズオフ運転などを実現し、ドライバーの負荷軽減につなげる。

大拔専務は、新世代アイサイトでも中核センサーはスバルの独自方式でもあるステレオカメラとしたことについて、「映像に映るすべてを、ありのままに立体像として認識できるのが大きなメリット」と強調した。そのうえで、多くの自動車メーカーが採用している単眼カメラとレーザーの組み合わせとの比較でも「断然、われわれのステレオカメラが有利と考えている」と述べた。

一方で、安全運転支援の機能を強化するには車両に搭載するセンサーは増やさなければならす、次期レヴォーグでは4個のレーダーを採用する。大拔専務は、「今後も斜め方向など、色々なところにレーダーは増やすことが必要。ただ、その場合もメインのセンサーはステレオカメラと考えている」と、蓄積してきた技術へのこだわりを見せた。

スバル 大拔哲雄専務執行役員《撮影 池原照雄》 新型レヴォーグ・プロトタイプ《提供 スバル》 会見するスバルの中村社長(右)と大拔専務《撮影 池原照雄》