(イメージ)《イラストAC》

いすゞ自動車と本田技術研究所(ホンダ)は1月15日、燃料電池(FC)をパワートレインに採用した大型トラックの共同研究契約を締結した。

現在、環境負荷低減に向けて、自動車業界としてモビリティの排出ガス低減や低炭素化、再生可能エネルギー活用への取り組みが求められている。こうした環境下、いすゞはクリーンディーゼルや天然ガス自動車(NGV)用エンジン、電気自動車(EV)など、顧客ニーズに合わせたパワートレインの研究・開発に取り組んできた。またホンダは、ハイブリッド車やEVなどに加え、究極の環境技術として燃料電池車(FCV)の研究・開発に30年以上にわたり取り組んできた。

FCや水素エネルギーの利用拡大には、現在はコストやインフラ整備など普及に向けた課題がまだあり、1社のみでなく業界で広く取り組んでいく必要がある。そうした中、いすゞの大型トラック用次世代パワートレインのラインアップ拡充に向けた検討と、ホンダの水素社会実現に向けたFC技術の乗用車用途からの活用拡大の検討という、両社の技術研究目的が一致。今回、FC大型トラックの共同研究を行うという合意に至った。

いすゞとホンダは共同研究契約締結により、大型トラック開発技術とFC開発技術というそれぞれの強みを生かし、FCパワートレインシステムや車両制御などの基礎技術基盤の構築を目指す。そして、この共同研究を通じて、両社はクリーンで低騒音、低振動な大型トラックを実現するとともに、FCトラックや水素エネルギー活用が物流業界をはじめとした社会全体の産業の発展と水素社会の早期実現に貢献できるよう、業界で広く検討を進めていく。