アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》

アウディのなかでも、一番小さい『A1』である。ただし、車内は広い。横幅は1740mmなので3ナンバーなのだが、ただ、数字以上に車内が広く感じるのは水平ラインを活かしたデザインと、内側の立体的な構造を上手に操った妙といえる。それになにより、質感が高く上品なところがアウディらしさ。女ゴコロをとらえるわけである。

屋根の部分をブラックにすることで、ぐっと重心を下げ、躍動感がにじみでたスタイル。さらに、ボンネットフードの部分に入れた個性的なラインが作る、気の強さを押し出したフェイスマスク。やさしくてかわいいだけのコンパクトカーではないことを、全身を使って表現している。


ただ、止まっている姿は、本当に小さい。駐車スペースに停めたあとふり返ると、これがさっきまでいた、あのゆったりとした車内のA1か?と、びっくりするくらいのちっちゃさである。全長4040mmは、正真正銘のコンパクトカーなのだ。

ハンドリングは、極めてシャープ。特に、センターからの切りはじめ(まっすぐからのハンドルの回し始め)に対する反応が早く感じられ、どきっとするくらい気持ちいい。全長が短いコンパクトカーならではの俊敏さで、ワインディングでは、右に左にと軽快に駆け抜けていく。では、高速道路では安定感がないのかというと、これが同じクルマかと思うほど高速も走りやすいのだから、ありがたくて拝みたいくらいだ。


高速走行時は、セットオプションとして装着できるアクティブレーンアシストがいい仕事をする。車線内を走るようアシストしてくれるのだが、ハンドリングの反応のよさがここでも効いていて、小気味よくハンドルの角度を修正してくれる。

小さいクルマというと、やさしくておだやかで自己主張しない……と油断していると痛い目にあう。A1スポーツバックは、走りたくてうずうずしているやんちゃなクルマなのである。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》 アウディ A1スポーツバック 新型《撮影 宮崎壮人》