マクラーレン・スピードテール《photo by McLaren Automotive》

マクラーレンオートモーティブは12月23日、新型ハイパーカーのマクラーレン『スピードテール』(McLaren Speedtail)が、米国フロリダ州のケネディ宇宙センターにおいて、403km/hの最高速を計測した、と発表した。

スピードテールは、マクラーレン『F1』の再来を狙う新型ハイパーカーだ。スピードテールには、専用設計のカーボンファイバー構造の「マクラーレン・モノケージ」をベースに、オールカーボンファイバー製ボディ、アルミ製アクティブサスペンション、カーボンセラミックブレーキなどの軽量技術を搭載する。タイヤはピレリと共同開発。またスピードテールでは、最新のクラフトマンシップと素材、ビスポークのパーソナライゼーションを融合させた。

◆流線形デザインにデジタルリアビューカメラ

スピードテールのデザインは、未来的な流線形が特長だ。真上から見ると、ティアドロップ形に見える。格納式のデジタルリアビューカメラは、従来のドアミラーに取って代わり、空力性能を向上させる。

カーボンファイバー製の20インチのフロントホイールエアロカバーは、ホイールアーチの周りの乱気流を低減させた。継ぎ目のないシルエットは、エアロダイナミクス性能の向上に貢献する。

全長は5137mmで、全幅はマクラーレン『P1』よりも短いが、全長はほぼ500mm長い。ヘッドライトは、フルLEDだ。ホイールは光沢ブラック塗装で、ダイヤモンドカットの仕上げが施される。ブレーキキャリパーはシルバーとした。

◆マクラーレンF1と同じ3シーターレイアウト

スピードテールのインテリアは、3シートのレイアウトが特長だ。中央に運転席がある3シートレイアウトは、マクラーレンF1から継承される。ドライバーの正面に、高精細ディスプレイとタッチスクリーンを備えた最新のコネクティビティシステムを採用した。

デジタルリアビューカメラも装備されており、カメラが捉えた映像は、インストルメントパネルの両側に配置された2つのモニターに表示される。フロントガラスの上部は「エレクトロクロミックガラス」となっており、サンバイザーを不要にしている。時計は、スイスのリシャール・ミル製だ。

シートは、カスタムメイドのカーボンファイバー製だ。運転席はダークグレイシャーとクールホワイトレザーで、新開発のセミアニリン軽量レザーをあしらう。製造段階でレザーの表面の下に空気を注入することにより密度を減少させ、単体重量を30%減らした。その結果、軽量化とラグジュアリー性を両立するという。

◆最大出力1070psのハイブリッド

ガソリンエンジンとエレクトリックハイブリッドパワートレインを採用することで、最大出力1070ps、最大トルク117.3kgmを獲得する。乾燥重量は1430kgに抑えられた。0〜300km/h加速は13秒を切り、マクラーレンオートモーティブによると、マクラーレンP1の16.5秒より速いという。

パワートレインに導入する必要のあるエアは、ガラス製キャノピーの背後から出て、下向きに傾斜している2つのインテークから流入する。これらのインテークは、中央上部に取り付けられたハイマウントストップランプで分離し、カーブを描くようにしてエンジンカバーに向かう。より短く、アグレッシブなインテークにより、エアは表面から分離し、インテーク上を通過するという。

◆最高速403km/hに30回以上到達

今回、スピードテールのプロトタイプの「XP2」が、米国フロリダ州ケネディ宇宙センターのジョニーボマー試験場において、高速テストを行った。この高速テストでは、マクラーレンオートモーティブのチーフテストドライバー、ケニー・ブラック氏がステアリングホイールを握った。

スピードテールは、「ヴェロシティ」(Velocity)と呼ばれる走行モードを選択した。このモードでは、高速走行のために、ハイブリッドパワートレインを最適化し、アクティブエアロシステムの角度を調整する。デジタルリアビューカメラも格納され、空気抵抗をさらに改善。「ヴェロシティ・アクティブ・シャシー・コントロール」では、車高が35mm下げられ、全高は1120mmになる。

そして、スピードテールは、ジョニーボマー試験場のスペースシャトル着陸滑走路において、403km/hの最高速に30回以上到達した。403km/hの最高速は、マクラーレンF1の391km/hを超えて、マクラーレン史上最速のロードカーになった。

マクラーレンオートモーティブは、これをもって、スペインやドイツなど、世界中の複数のテスト施設で行われてきたスピードテールの高速走行プログラムを終了した。なお、スピードテールは、マクラーレンF1と同じく限定106台を生産するが、すでに完売した。価格は175万ポンド(約2億4800万円)で、2020年2月から出荷される予定だ。

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