BMW i3 アーバンスイート《photo by BMW》

BMWグループは、2020年1月に米国ラスベガスで開催されるCES 2020において、BMW『i3』をベースにしたコンセプトカー、『i3 アーバンスイート』(BMW i3 Urban Suite)を初公開すると発表した。

BMW i3は、デビュー以来7年間、都市部における電動ドライブの楽しさ、持続可能性、インテリジェントなコネクティビティなど、「i」ブランドのアンバサダーの役割を果たしてきた。顧客にも評価されており、プレミアムコンパクトセグメントにおいて、世界で最も売れているEVとなっている。

◆後席は1名がけで助手席はなし

BMWグループがCES 2020でワールドプレミアする予定のBMW i3アーバンスイートは、乗員のニーズに合わせたモビリティを提案するコンセプトカーだ。BMWグループによると、未来のモビリティ体験を創造するための先見的なアプローチを紹介した1台になるという。

ベース車両のBMW i3からの大きな変更点は、インテリアだ。運転席とダッシュボードのみが残され、他の部分は大幅に変更されている。インテリアのコンセプトは、ブティックホテルのリラックスした雰囲気。移動中の車内でリラックスしたり、エンターテインメントを楽しんだり、リラックスした雰囲気の中で仕事に集中したりする場所を目指している。

BMW i3アーバンスイートは、乗車定員が2名だ。後席は、1名がけシートに変更されており、その横には照明スタンド付きの木製テーブルがレイアウトされた。助手席は取り払われ、後席乗員向けの大型フットレストに置き換えられている。天井には、映画などが観賞できる格納式スクリーンを装備した。オーディオシステムは、乗員個別の音響ゾーンを設定することができる。

◆CES期間中のラスベガスでデモ試乗を予定

また、BMW i3アーバンスイートは、BMWグループの持続可能なモビリティへの取り組みにおいて、さらなる前進を表している。BMW i3アーバンスイートには、ゼロエミッションのパワートレインを搭載。素材は慎重に吟味され、生産プロセスを含めて、資源を有効活用するという全体的なアプローチが貫かれている。

インテリアの生地には、リサイクル素材を使用した。ウッドやオリーブタンレザーも使用する。フロアマットは、リサイクル可能な素材で作られている。

BMWグループは、CES 2020の開幕に合わせて、BMW i3アーバンスイートを数台、米国ラスベガスに持ち込む予定だ。現地では専用のアプリを使用して、BMW i3アーバンスイートを呼び出し、運転手付きで目的地まで移動するデモを行う計画だ。

◆EVパワートレインは現時点では未公表

現時点では、BMW i3アーバンスイートのEVパワートレインは公表されていない。i3シリーズのスポーツバージョン、『i3s』グレードがベースの場合、モーターは、最大出力184hp、最大トルク27.5kgmを発生する。動力性能は、0〜100km/h加速6.9秒、最高速150km/h(リミッター作動)となる。

バッテリーに関しては、i3sは大容量バッテリーを搭載し、航続を拡大した「120Ah」仕様となる。120Ahでは、バッテリーの大きさは従来通りながら、蓄電容量を従来の「94Ah」の33.2kWhから42.2kWhへ、27%大容量化した。これにより、1回の充電での航続(NEDC:新欧州サイクル)はi3sの場合、最大280kmから345kmへ、およそ2割の航続拡大を実現している。

なお、BMW i3アーバンスイートは、BMWグループの革新的で持続可能なモビリティコンセプトの体験を乗員に提供すると同時に、将来の移動が車のサイズとは無関係であることを証明する、としている。

BMW i3 アーバンスイート《photo by BMW》 BMW i3 アーバンスイート《photo by BMW》 BMW i3 アーバンスイート のイメージスケッチ《photo by BMW》 BMW i3 アーバンスイート のイメージスケッチ《photo by BMW》 BMW i3 アーバンスイート のイメージスケッチ《photo by BMW》