ヤマハ MW-VISION(東京モーターショー2019)《撮影 平原克彦》

ヤマハ発動機の日高祥博社長は12月20日、静岡・磐田市にある本社で開いた報道各社とのグループインタビューで、東京モーターショー2019で世界初公開した次世代パーソナルモビリティ『MW-VISION』を数年のうちに市販化する方針を明らかにした。

日高社長は「東京モーターショー2019でMW-VISIONを出したが、あれに近いものを数年以内には市場に出したいと思っている。いよいよ転ばないバイクが世の中に出てくるようになる」と断言した。

MW-VISIONは前2輪、後1輪の構造ながらバイクのように傾斜して旋回する機構を備えたLMW(リーニング・マルチ・ホイール)モデルの最新コンセプト。既存のLMWにはない姿勢制御システムを備え、自立できるのが最大の特徴。

日高社長は東京モーターショー2019のプレスカンファレンスで「姿勢制御システムによる低速時のライダーアシストや各種研究活動で『めざせ転ばないバイク』という私たちのチャレンジはここまで進んできた」との宣言とともにMW-VISIONを披露したが、数年内の市販化に向けて駒を進めることになる。

一方でロングセラーモデルの『セロー』が生産終了を迎えたことについて日高社長は「セローがなくなるのは非常に残念に思っている。ただビジネスの観点からいけば合理的な判断を持ってやるので、しかたないというのもある。日本の規制をすべてクリアして日本専用のものを出すというのは非常に採算が合わなくて厳しいというのは事実」と説明。

その上で「グローバルモデルにも250ccエンジンのものもある。そうしたグローバルモデルという形でコアエンジンを共有化しながら復活してほしいと個人的には思っている。きっと私以上にセローの開発に携わった連中というのは、もっと熱い思いがあるので、いずれセローも戻ってくるのではないか」との見解を示した。

ヤマハ MW-VISION(東京モーターショー2019)《撮影 平原克彦》 ヤマハ発動機 日高祥博 社長《撮影 小松哲也》 ヤマハ セロー250ファイナルエディション《画像:ヤマハ発動機》