デンソーテンの映像・通信・音響技術(東京モーターショー2019)《撮影:中尾真二》

東京モーターショー2019、デンソーテンの展示テーマは、先進の音響技術とコネクテッド機能。注目の技術は、通信ドラレコを観光案内に役立てるという実証実験、ディスプレイ全面をスピーカーとする技術、そして2席を同時に定位できるツイーターの技術の3つ。

通信ドラレコは、撮影している画像をクラウドに保管していく。それだけでも便利ではあるが、テンソーテンは、奈良先端大と共同で、蓄積された画像を観光案内として利用するシステムを開発した。通常、観光案内のPRビデオなどは、そのために各地を撮影し、編集したコンテンツを配信するパターンが多い。この研究では、通信モジュールを搭載したドラレコの画像を逐次クラウドに送信し、画像解析によりシーンをインデックスしておく。例えば「桜並木」や「寺院」といった具合だ。

観光案内アプリで、行きたい景色や場所などを検索すると、撮影地点の地図情報とともにドラレコの映像が確認できる。編集されたコンテンツではないが、逆に実際の映像で現場の雰囲気などを確認できる。映像情報なので、海外旅行者のサービスとしても有効だ。アプリの作り込みしだいでは、検索地をつなぐルート案内や、それを設定したタクシーの手配なども可能となる。

ディスプレイスピーカーは、携帯電話やPCなどで製品化されたものがあったが、デンソーテンのディスプレイスピーカーは、車載をとくに意識して開発されている。車載スピーカーはドアや内装に埋め込むことが多いので、内装の内側に音が響きやすい。視聴してみると、車載オーディオのスピーカー特有のこもったような音がなくなり、かなりクリアになる。音量も十分で、騒音が激しいモーターショーの会場でもしっかり聞こえていた。

さらに、映像の位置から音がでるため、映像の臨場感も増す。

ナビやディスプレイオーディオのスピーカーは、特殊な振動子を画面の裏側に装着する。詳細は企業秘密とのことで、振動子の素材やしくみは教えてもらえなかった。

ツイーターは、砲弾型のシェルが2つ組み合わせられた特徴のある形状のダブルツイーター。ダッシュボードやピラーに埋め込むのは難しいが、音源の位置を正確に再現するだけでなく、運転席と助手席を同時に定位させることができる。カーオーディオのアライメントは、通常定位の位置を1か所に決める必要がある。運転席にあわせると助手席は音源の位置が原音と違ったものになってしまう。

ダブルツイーターシステムは、2つのツイーターと、デジタル信号処理の合わせ技で、2か所同時定位を可能にしている。低音域のスピーカーや専用のアンプと組み合わせると、さらに高品質な音になる。

ディスプレイスピーカーやダブルツイーターは、体験ブースで視聴することができる。既存スピーカーとの違いがはっきりわかるデモンストレーションが行われる。

通信機能つきドライブレコーダー《撮影:中尾真二》 サイネージやアプリでさまざまなサービを開発できるy《撮影:中尾真二》 デンソーテンの映像・通信・音響技術(東京モーターショー2019)《撮影:中尾真二》 デンソーテンの映像・通信・音響技術(東京モーターショー2019)《撮影:中尾真二》 デンソーテンの映像・通信・音響技術(東京モーターショー2019)《撮影:中尾真二》 デンソーテンの映像・通信・音響技術(東京モーターショー2019)《撮影:中尾真二》 デンソーテンの映像・通信・音響技術(東京モーターショー2019)《撮影:中尾真二》 デンソーテンの映像・通信・音響技術(東京モーターショー2019)《撮影:中尾真二》