トヨタ自動車 e-Palette 東京2020オリンピック・パラリンピック仕様《撮影 小松哲也》

トヨタ自動車は10月9日、東京オリンピック・パラリンピックで使われる自動運転車『e-Palette東京2020オリンピック・パラリンピック仕様』の詳細を公表するとともに、大会に先駆けて東京モーターショー2019で車両を公開することを明らかにした。

e-PaletteはトヨタがCES 2018でライドシェアや移動店舗など様々なモビリティーサービスに対応する電動車両として世界初公開した。e-Palette東京2020仕様は、その実用化の第1弾となるもので、選手村での移動手段として開発された。

e-Palette東京2020仕様の開発責任者を務めるMaaS事業部の牟田隆宏主査は「e-Paletteは、すべての人に移動の自由をというテーマのもと、オリンピックの選手村というひとつの社会の中で選手や大会関係者に新たなモビリティ社会の一端を体験頂くとともに、安全快適な移動を提供するために、いよいよ走り出すことになる」と意気込みを語る。

e-Palette東京2020仕様は広い室内空間を確保している前後対称の箱型デザインが特徴。牟田主査は「これは可能な限り室内スペースを確保するための最も効率的な形状。タイヤを四隅に配置させることで広大なフロアを実現し、高くとった全高は背の高い選手でも頭上を気にせず安心して乗車頂ける空間を造り出している。ちなみにこのe-Paletteであれば身長2mを超える人でも普通に室内で立つことができる」と解説する。

e-Palette東京2020仕様は全長5255mm、全幅2065mm、全高2760mm、ホイールベース4000mmで、最大乗車人員はオペレーター1名を含む20名で、車いす4名乗車の際でも7名の立ち乗りが可能となっている。

e-Palette東京2020仕様には幅1300mmの大開口スライドドアを採用。牟田主査は「一度に大量の人が乗り降りする電車の乗降口に学んだ」と明かした上で、「単純なスライドのみの機構を採用することで、開閉時間も極力短くし、スムースな乗降を実現した」と語る。

e-Palette東京2020仕様は選手村の中で自動運転走行で選手や大会関係者の移動をサポートする。「低速自動運転システムを搭載しており、自動運転の車速は時速19km以下。ライダーを前後左右と天井の5か所に配置することで周囲360度を常に検知できるようにし、周辺の状況に応じて最適な速度で走行する。また万一に備えてオペレーターの介入によって車両を停止させる緊急停止スイッチも有している。緊急停止スイッチが押された場合、e-Paletteは補助制動装置以外すべての電源をシャットダウンし、即時に車両を停止させることになっている」という。

さらに「自動運転車両と歩行者とのコミュニケーションを図ることで、より安全な運行の実現を目的に、アイコンタクトのような形で車両の状況を周囲に知らせるランプも採用。例えば横断歩道の脇で歩行者が横断を待っているケースでは、一時停止した上でニッコリと笑顔で道を譲る意志を伝えることを計画している」とのことだ。

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