ダイハツ タント 新型《撮影 宮崎壮人》

4代目となる新型ダイハツ『タント』は、「新時代のライフパートナー」をテーマに開発。スーパーハイト軽自動車の市場を作り上げた歴代タントの特徴である室内空間の広さと、使い勝手の良さをさらに向上させた。また、新世代スマートアシストとして、充実した先進・安全装備を採用している。

さらに、サスペンションや骨格の部品配置をゼロから見直した「DNGA」プラットフォームや世界で初めてスプリットギヤを用いたCVT、新型パワートレーンを装備することで、クルマとしての基本性能の向上を図った。

今回は新型タントの標準車、その進化を写真とともに紹介する。

◆先代譲りの使い勝手の良さ


新型タントは、先代と同様にあらゆる世代のニーズに応えた使い勝手の良さに重きを置いた。2代目タントから採用されているピラーインドア「ミラクルオープンドア」を引き続き採用。助手席側のドア間にある柱(ピラー)をフロントドア後部とスライドドア前部に内蔵しているのが特徴だ。

最大540mmスライド可能な運転席や16mmの低床化も相まって、誰でも乗り降りしやすい構造を実現。快適性だけでなく、高張力鋼板を各所に配置することで、運転席側と同等の衝突安全性も確保している。さらに、半ドアを防止する助手席イージークローザーやパワースライドドアの自動開扉を可能にするウェルカムオープン機能などを、軽自動車としてはじめて搭載する。

見晴らしよく、安全に安心して運転できる視界とドライビングポジションを確保するために、レイアウトを再考。ドライバーの手や目が動く軌道上に表示を集約させることで、ストレスのない運転を可能にした。フロントピラーを従来よりも細くしたことで、視界が拡大。ステアリングやシフトノブの断面を最適化し、さらに握りやすい形状になった。また、採用されているシートは、長時間座っても疲れないホールド性とフィット感、座り心地を実現している。

◆運転を支える先進・安全技術


新型タントは進化した予防安全機能「次世代スマートアシスト」を採用し、従来の衝突回避支援ブレーキやオートハイビームなどに加え、車線逸脱抑制制御機能やADB(アダプティングドライビングビーム)、進入禁止標識の認識機能、前後のブレーキ制御付き誤発進抑制機能といった、全15個の機能を搭載している。また、前車追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKC(レーンキープコントロール)、スマートパノラマパーキングアシスト、サイドビューランプも搭載される。

なかでも、駐車支援システムスマートパノラマパーキングアシストは、左右に搭載されるカメラが駐車枠の白線を検知し、音声と画面のガイドに加えて、ステアリング操作をアシストする。ドライバーにシフトレバー/アクセル・ブレーキの操作や周囲の安全確認に専念することを可能にする。また、並列駐車・縦列駐車ともに対応しており、駐車を苦手とする人でも安心して駐車することが可能になる。

◆磨かれたクルマとしての基本性能


車体を支えるプラットフォームをゼロから見直し、高い基本性能を実現。安定性や乗り心地を向上させるために、サスペンションアレンジを最優先で開発し、ボディ骨格を最適配置することで、衝突安全性や騒音・振動低減性、ボディ強度も大幅に向上したという。またこの見直しによって、曲げ剛性が従来比で約30%向上し、ハイテン材の活用や構造合理化により、ボディ骨格全体で約40kgの軽量化を実現した。

エンジンの回転をタイヤに伝えるCVT(変速機)にスプリットギヤを組み込むことで、伝達効率を向上させる、新CVT「D-CVT」を世界で初めて採用した。また、複数回点火(マルチスパーク)の採用や、燃料噴射方式の改良(スワール噴霧)によって、燃焼効率を向上させたことにより、加速度が15%向上した。性能向上のみならず、NA車は軽自動車初となる、平成30年排ガス基準75%低減レベルを実現させた。

◆幅広い世代をターゲットに据えたデザイン


先代の親しみやすく、洗練されたエクステリアを、新型タントは受け継いでいる。シンプルで愛着を感じさせるアイコニックなフロントと、連続したシームレスな面で洗練された魂を表現したボディが、包み込まれるような安心感を与えている。

タントには新色の「マスタードイエローマイカメタリック」や「アイスグリーン」など、新色3色を含む全9色を設定。

新型タントの価格は、122万400円(税込)からとなっている。

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