マツダ CX-5 XD Exclusive Mode 4WD 6AT《撮影 島崎七生人》

試乗車は『CX-5』に特別仕様車として設定される“XD Exclusive Mode”。座った瞬間にまるで上級サルーンのような上質感を味わわせてくれるナッパレザーシートは、しなやかさ加減としっとりとした感触がよい、このモデル専用の装備のひとつだ。

◆贅沢品ではなくあってほしいアイテムばかり



ほかに本杢のインパネ加飾りパネルや、フレームレスの自動防眩インナーミラー、聴いてみると厚みのある豊かな音が印象的なBOSEサウンドシステムも特別装備に含まれる。標準装備面でいうと、ステアリングヒーター(9時/3時の位置に内蔵)や、前席左右のシートヒーターとベンチレーション(作動音はやや大きめだが)もありがたい。

これらの装備は通年で使いこなしたいSUVにとって決して贅沢品ではなく、あってほしいアイテムばかり。『CXー5』も2代目に進化して、このクルマに乗りたいユーザーの気持ち、嗜好に応えた装備をソツなく用意しているなぁ…と、そんな感想をもった。


◆リアルな一般道で感じた手応え



それと(レポーターはしばらくぶりの試乗だったが)走りについても“商品改良”が重ねられたことで、ますます磨きがかけられた、と素直に感じた。大きいのは最新の“GVCプラス”の効果だ。借り受け時にメーカーには“一般道の試乗”と申告済みの試乗車だったが、その範囲内で「おお、なるほど!」と思わせられる場面が多々あった。

とくに手応えを感じたのは、車線変更時の安定感。感じたままをステアリング操作を基準に書くと、切り始めから戻し終わるまで、ロールや横Gをまったく意識させず、後輪も前輪に完璧に釣り合いをとりつつクルマを安定させ、ほどなく不思議な横平行移動の完了を実感する…そんな感じなのである。決して高速走行時の大袈裟な車線変更ではなく、リアルな一般道上で、先行車が路肩に止まるのが見えたから自分は手前から右車線に移っておこう…といった場面を想像していただければよいか。コーナリングはもちろんだが、こういった場面で、たとえば運転が上手なドライバーのような、グラッと来ない、スムースで無理のない走らせ方をクルマが体現しているところに目からウロコが落ちた次第だ。

未確認ながら足回りもしなやかさが増した印象で、乗り味が以前よりさらにスムースになっている。また2.2リットルのディーゼルターボのエンジン特性も、低速からより扱いやすさが増したように思え、こうしたクルマ全体のリファインが、GVCプラスの効果の発揮の下支えにもなっているようにも思う。燃費も、今回は極端な省燃費運転、好条件での走行はほとんどなかったが、満タン時の計算で15.5km/リットルほど。クルマの走りがよりスムースになり、以前よりも好燃費が得やすそうな感触だった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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