メルセデスAMG C43 4MATIC カブリオレ《撮影 島崎七生人》

◆避暑地で絵になるカブリオレ

とある避暑地をメルセデスベンツのカブリオレで流した。ドライバー(レポーター)が不釣り合いであっただろうことを度外視すれば、実に絵になっていたはずだ。

現地ですれ違うメルセデスベンツは実際に多く、改めて「ああ、こういう場所が本拠地なのだなぁ」と実感した次第。

新型『Cクラス』は一挙に4ボディが新しくなったが、そのうち2ドア/4人乗りのモデルにクーペとカブリオレがある。昔ならセダン系とはキャビン形状が違う程度でそのほかのデザインの差異は多少のアレンジの違いといったものだった。

ところが、今や完全に別モデルといってよく、とくにリヤ回りは、最近の傾向で、これがメルセデスベンツ!?と思わせられる、丸みを帯びたスリークなデザインが特徴だ。

◆オープンでも快適な装備が充実


試乗車はカブリオレで、「C43 4MATIC」という仕様。“ブリリアントブルー”の鮮やかなボディ色に同系色のダークブルーのソフトトップがつく。幌(トップ)を上げて走るカブリオレというのは、ドライバーが女性なら深窓の令嬢といったところでミステリアスに映るはず……というのはやや文脈を外した話だが、布でありながらゆるなかなカーブを描くシルエットは優美のひとこと。

一方でオープン走行に備え、フロントウインド上部には専用のディフレクターを備え、後部のエアキャップやヘッドレスト下部から温風を吹き出し冬のドライブを快適にするエアスカーフなど、手厚い装備も充実している。なお後席は+2的で、背を起こした姿勢で大人が短時間だけ乗れるように作ってある……といったところだ。

◆優雅な走りに手抜かりなし


肝心の走りは、メルセデスAMG C43は大型化されたツインターボチャージャーなど専用にチューンされた3リットルのV6直噴ツインターボを搭載し、390ps/53.0kgf・mの性能を発揮。さらに電子制御9速ATを組み合わせ、31:69のトルク配分をもつ4MATIC仕様でもある。もちろん一般道でその真価を試すところまでには至らないが、エンジンについてはアクセルを踏み込むとフォーン!と快音を発しながら、(当然ながら)ストレスがまったくなくウルトラスムースなパワーフィールを披露してくれる。

また乗り味は、ソフトとは言わないまでも芯のあるしっかりしたものになっている。さらにオープン走行時のボディ剛性がかなりしっかりしており安心感が高く、ステアリングフィールも確実なまま。反対にトップを上げた(閉じた)状態でもサスペンションが突っ張って急に乗り味が粗くなるようなことがなく、あくまで優雅であり、このあたりの手抜かりのなさはさすがメルセデスベンツである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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