メルセデスベンツ C180ステーションワゴン アバンギャルド《撮影 島崎七生人》

最新『Cクラス』のラインアップ中、エントリーモデルとなるのが「C180」。C180は受注生産扱いなので、試乗車の「C180アバンギャルド」が事実上のベーシックモデルで、素の状態で513万円のプライスタグが付けられている。

試乗車ではさらに推奨オプションのベーシックパッケージ(シートヒーター、駐車支援機能ほか)を始め、レーダーセーフティパッケージ、AMGラインの各オプションも装着。AMGラインはエアロキット、18インチアルミホイールや、ブレーキ、シート、ステアリングなど、多岐にわたる装備がグレードアップする。雰囲気(空気?)ではこれらはもはや標準装備同然で、メタリックペイントの選択や、さらにメンテナンス、保証関係を手厚くしておくと、ざっと100万円少々のプラスといったところだ。

試乗車自身は1.6リットルの4気筒ターボを搭載するというモデル。排気量では「C200」を上回るが、こちらはコンベンショナルなガソリンエンジンで、とはいえ現代のユニットらしく156ps/25.5kgmの性能を発揮、9速ATが組み合わせられる。もちろん動力性能自体は十分なもので、発進からスピードを乗せるまで、まったく不満なしの性能と洗練されたマナーを披露してくれる。

ステアリングのなめらかさ、フラットな乗り心地は、セダンボディと気になる差はまず感じない。このあたりは最新メルセデスベンツらしいところ。また今度のCクラスでは、ほとんどのモデルで非ランフラットタイヤが標準装着されることになったのはニュースのひとつ。走行中、よほど耳をそばだてているとポンポンと気柱共鳴音が聞こえるのは、ランフラットタイヤでボディとバランスしていた従来に対し、おそらくタイヤの質量が軽くなったことで、共振点、タイヤの動きが変わったことによるものでは?と推測した。

とはいえ「W124」あたりを連想させる小回りのよさ、実用性、快適性など、相変わらず、日本で乗りこなすには最適で、選んで間違いのないステーションワゴンといえる。メーターと中央の情報表示部に2枚の液晶ディスプレイを用いたコクピットも、先進的すぎず、気取り過ぎず、馴染みやすい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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