ANAグループは10月4日、空港における地上支援業務効率化の取り組みの一環として、航空機の移動・牽引業務への新技術活用に向けて羽田空港の駐機場で実証実験を開始すると発表した。
10月上旬から整備訓練専用の退役機であるボーイング737-500型機を使用して、格納庫と駐機場所の間における移動・牽引業務の実証実験を行う。
航空機は航空機牽引車両(トーイングトラクター)を使用して移動させているが、実証実験では、小型機(ボーイング737型機)を対象に、運転席がなく、リモートコントロール式のコントローラー操作を通じて航空機の移動・牽引を行うことが可能なドイツmototok製の機器「Spacer 8600」を検証する。
実証実験では、機器の性能や安全性・操作性などを検証するとともに、業務従事者の教育訓練の効率化についても検証する。
機器はコントローラーで操作するため、従来の牽引車両と比べて広い視野を確保できることに加え航空機の車輪の向きなどを間近で確認できる。このため、より平易に移動・牽引業務を行うことが可能で、業務従事者の作業負荷軽減、短期間での教育・訓練で業務習熟が可能になる。また、バッテリーで駆動するため、空港におけるCO2削減に貢献するなど環境に優しいだけではなく、メンテナンスや燃料に関するコストの低減も見込める。
実証実験で得られる結果をベースに、2020年までの機器導入を見据え、現行の規定・基準、資格体系との整理を進めるとともに、大型機の移動・牽引業務への適用拡大に向けて継続的に調査研究する。
リモコン操縦できる航空機の移動・牽引車、ANAが実証実験
2018年10月05日(金) 09時17分
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